●投資の必要性は、お金の価値を減らしたくない全ての人にあると考えられます。
●金利がほぼゼロの状況が続く中で、物価はじわじわと上昇しており、お金の価値を守るためには投資 を行う必要があると言えます。

投資は万人に必要か?

「投資を行う必要はあると思いますか?」という質問を投げかけると、ほとんどの方は、投資は万人に必要なことではなく、一部の資金的に余裕のある人達が行うことであると答えます。果たしてそうなのでしょうか。今回は投資の必要性について考えてみたいと思います。

多くの方が、自分の将来のため、あるいは家族・子供のために預貯金は行っていると思います。しかし、金利はほぼゼロであり、お金はほとんど増えない状況です。なぜ、このような低金利になってしまったのでしょうか。

金利と経済成⻑は密接に関係しており、高い経済成⻑率が続くと金利も高くなりやすく、低い経済成⻑率が続くと金利も低くなりやすい傾向があります。例えば経済成⻑率の高い国では、国内に様々なビジネスチャンスが生まれるため、「高い金利でもお金を借りて事業拡大をしたい!」と考える個人や企業が多く出てきます。このように、経済成⻑率の高い国では、資金需要が高まり、金利が上がりやすくなります。逆に経済が低迷すると、資金需要が低下し、金利は下落しやすくなります。日本経 済は、バブル崩壊と少子高齢化などの影響により⻑期的に経済の低迷が続き、その結果、金利も大きく低下してしまいました(図表1)。また、少子高齢化は更に進んでいくことが予想されており、このことから日本国内では今後も低金利の状態が続きやすくなると考えられます。

その一方で物価は、消費税引き上げの影響等もあり上昇していますが、日本の財政状況等を考えると、将来的に物価上昇のペースが速まる可能性があります(図表2)。「お金の価値」を守るためには、物価が上昇するスピードよりも速くお金を増やしていかなければなりません。これまでと同じ量のモノを購入したり、同じ品質のサービスを受けるためには、モノやサービスの価格上昇ペース以上にお金を増やさなければならないということです。しかし前述の様に、現在の日本において預貯金の金利 はゼロ近辺にあり、今後も大きく上昇することはあまり期待できません。したがって、お金の価値を守るという意味で、お金の価値を減らしたくない全ての人に投資の必要性があると言えます。