Article Title
コロナショックで大きく上昇した「VIX指数」とは?
2020/03/24

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要


Article Body Text

「VIX指数(別名:恐怖指数)」が急上昇

新型コロナウイルスに対する懸念で世界的に株式市場が下落する一方、大きく上昇した指数があります。それが「VIX指数」です。

VIX指数は、米国の大企業500社の株価をもとに算出する「S&P500種指数」の将来の株価を予想して取引されるオプション価格の値動きを指数化し公表しています。VIXはボラティリティ・インデックス(Volatility Index)の略称で、ボラティリティとは「値動きの度合い」を意味します。

VIX指数は一般に、平常時は10から20の範囲に収まることが多いものの、金融危機や戦争、災害などをきっかけに相場の振れ幅が大きくなると急上昇することが多くなります。それゆえ別名は「恐怖指数」とも呼ばれています。実際、VIX指数とS&P500種指数を並べてみると、S&P500種指数が上がると、VIX指数が下がり、S&P500種指数が下がるとVIX指数が上がるといった傾向がみられています(下図)。

S&P500種指数とVIX指数の推移
日次、期間:2008年1月1日~2020年3月20日

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

新型コロナウィルス感染拡大でVIX指数は過去最高水準

近年のVIX指数は、2018年末の世界同時株安の局面で一時30を上回りましたが、2019年の平均値は15で推移するなど変動性の少ない動きとなっていました。しかしながら、2020年2月後半以降、新型コロナウィルス感染拡大の懸念を背景に、米国株式が連日のように記録的な下げを記録する中、VIX指数は急上昇し、3月16日にはリーマン・ショックの年以降で初めて80を突破したほか、終値では82.69と終値ベースの最高値を更新しました。VIX指数の日中ベースの最高値はリーマン・ショック時(2008年10月)の89.53でした。

現在、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、世界経済の成長率や企業業績の見通し引き下げが避けらないうえ、現時点ではどの程度影響がでるのかも予想しづらい状況にあります。また、3月に入ってから欧州や米国においても感染が拡大しており、局面は大きく変わっています。VIX指数の高まりは、こうした環境における投資家の不安心理の極度の高まりを反映しているとみられます。

感染の拡大傾向が続く中、各国で人の移動に強い制約がかけられるなど、さらなる経済への悪影響が懸念され始めています。このため当面、VIX指数は比較的高い水準で推移し、変動性が高い不安定な相場が続く可能性を認識しておく必要がありそうです。

過去のVIX指数の推移

なお、過去において、VIX指数が急騰した後、どのような推移となっていったのかを示したものが下図です。ここでは「リーマンショック時」と「S&P社による米国債格下げ時」から200日間のVIX指数の推移を示しています。数値のレベル間はありますが、両局面の推移を見ると、100日間程度が経過するまでの間、VIX指数の変動が比較的大きい状況が続き、それ以降はやや落ち着き処を探るような動きがみられていました。

過去のVIX指数の急騰時からその後200日の推移
日次、期間:リーマン・ショック時(2008年10月16日~2009年8月4日、2008年10月16日を0日とする)
S&P社による米国債格下げ時(2011年8月8日~2012年5月23日、2011年8月8日を0日とする)

出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成


●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。




関連記事


外資系金融機関で働く私たちの資産運用のリアル 第9回:今後のマーケットで投資家が留意しておきたいこと

外資系金融機関で働く私たちの資産運用のリアル 第8回:同僚Sさんのポートフォリオのご紹介とインプリケーション

資産運用を幅広く考えるタイミング

つみたてNISAを活用した子育て世代の資産運用

金価格上昇の背景を考える

新NISAの年代別活用方法と注意点