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- つみたてNISAを活用した子育て世代の資産運用
コロナ禍が落ち着き、日本全国から経済や投資に関する講演の依頼が増えました。講演の後に参加していただいた方と話をする機会も多いのですが、最近になって「子どもを育てていくうえでの資金が不安」という声が増えた印象があります。これまでも「老後資金が不安」という声は多かったのですが、ここ1年ぐらいで日本でも物価が上昇してきたこともあり、老後よりも子育てという目先のお金の不安の方が大きくなっているのかもしれません。今回は子育て世代の資産運用について考えてみます。
子どもの教育資金はどれぐらいかかる?
子育て世代が最も気にするのは子どもの教育資金だと思います。今までは「老後2,000万円問題」などもあり、ぼんやりと老後への不安があったかと思いますが、ここ1年ほどで物価上昇が起こったことによって、老後よりも前に訪れる子どもの教育資金という不安要素に注目が集まってきたように感じます。
それでは、子育て世代はどのように教育資金を準備すればいいのでしょうか。方法を考える前に、そもそもいくら教育資金が必要なのかを知らなければいけません。そこで、幼稚園から大学までにかかる金額を公立(国立)、私立のそれぞれでまとめてみました。
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仮に幼稚園から高校までを全て公立に通った場合、約577万円かかるのに対して、全て私立に通うと約1,840万円と3倍以上も多くの金額が必要になります。また、大学についても、国立に通うか私立に通うかで大きく金額が変わるうえに、より正確な試算をするためには文系に行くのか、理系に行くのか、はたまた医学部に行くのかなど、詳細を決めることで、その金額は変化していきます。いずれにせよ、子ども一人を大学卒業まで育てると、最低でも1,000万円弱はかかるということです。
忙しいからこそ「つみたてNISA」
子どもが生まれてから大学へ入学するまで約18年間あります。月に直せば216カ月ですから、仮に毎月1万円ずつ積み立てて預金をすると、国立大学4年間の授業料は準備できることになります。しかし、実際に国立大学に行くかどうかは分かりませんし、先に見たように実際には幼稚園から高校までも学習費がかかることになりますから、積み立てる金額を増やす必要が出てきます。
しかし、物価が上昇するなかで賃金の上昇速度が追い付かず、実質賃金が低下するなかで、積み立てる金額を増やすことは難しいでしょう。そこで1つの解決策になりうるのが資産運用です。一般的に株式や投資信託を活用して資産運用した場合、投資によって得た利益には約20%の税金がかかりますが、「NISA」を使えば非課税となります。
株式や投資信託に毎月1万円ずつ投資をすれば、18年後に216万円ではなく、投資によって2割、3割増えている可能性もあります。もちろん、投資ですから元本を下回る可能性もありますが、そのリスクを取るからこそ、リターンが得られる可能性があるということは理解しましょう。
とはいえ、子育て世代にとって、仕事や家庭のことにほとんどの時間を割く必要があるため、投資に時間を割くことは出来ないという方が多いでしょう。そこで、ネット証券などで一度つみたて投資の設定をすれば、それ以降は機械的に証券会社が毎月積み立ててくれるサービスを活用することを勧めます。そして、その際には「つみたてNISA」を使うことで、非課税制度のメリットも享受しましょう。
ちなみに、2024年から「NISA」が新しくなり、毎月積み立てられる金額の上限が増えます。非課税保有期間は無制限となり、1,800万円の再利用可能な生涯投資枠が設定されるなど、大幅に制度が拡充されますので、2023年内に「つみたてNISA」の非課税枠を獲得しつつ、2024年からは新しい「NISA」を活用するようにしましょう。
学資保険や定期貯金ではダメなの?
子育て世代に上記のような資産運用を勧めると、「どうしても投資は恐い」ということで、学資保険や定期預金ではダメなのかと聞かれます。前述の通り、投資をすると元本を棄損するリスクがあるため、そのリスクを許容できないという方は、学資保険や定期預金という選択肢を考えるべきだと思います。しかし、学資保険にもデメリットはあります。例えば、満期以前に解約してしまうと、解約返戻金は受け取れるものの、多くの場合はそれまでに支払った保険料の合計額を下回り、特に加入直後に解約した場合はそもそもお金が戻らないこともあります。
また、定期預金であれば元本割れを気にする必要はないかもしれませんが、継続的に物価が上昇する場合、つまりインフレになった局面においては、現預金は価値が目減りしてしまうというデメリットがあります。
つまり、リスクの大きさには差があるものの、どの選択肢にもメリットもデメリットも存在するため、自分のリスク許容度や人生設計に適した選択をすることが必要となります。
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