Secular Outlook ピクテの長期展望 - 2024 -
ピクテは毎年、Secular Outlookを投資家の皆様に届けています
Secular Outlookは今後5年間の資産クラス毎のリターンを予測したもので、ピクテ・アセット・マネジメントのストラテジー・ユニット(PSU)によって作成されています。PSUの投資哲学を反映し、それを組み込んだ内容になっています。
PSU は、ピクテ・アセット・マネジメントのさまざまな拠点に配属された経験豊富なマルチアセット、株式、および債券のポートフォリオ・マネージャー、エコノミスト、ストラテジスト、リサーチ・アナリストで構成されるユニットです。この投資グループは、株式、債券、コモディティ、オルタナティブ、通貨の各資産において、短期から長期まで資産配分のガイダンスを提供する役割を担っています。
「経済情勢が時の経過とともにどのように変化するかを理解することは、戦略的アセット・アロケーション戦略の基本であると同時に、長期的に投資を成功させるために極めて重要であると考えています」
オリヴィエ・ジャンガネ
戦略ユニット会長、CIO、マルチアセット&クオンティタティブ投資
Overview
多くの投資家は、世界経済があらゆる困難を乗り越えてきた過去と歴史から、今後についても楽観的な見通しを持っています。世界経済は、過去60年間のうち58年もの間、戦争やテロ、政情不安、エネルギー危機、金融危機などに直面しながらも成長を遂げてきました。そして、今後10年間も経済は年々着実に前進し続けるでしょう。
しかし、こうした投資家も現在の経済基盤がますます脆くなっていることに気づいているはずです。世界貿易が盛んで、インフレと金利が着実に低下していた「グレート・モデレーション」の時代は終わったのです。その代わりに、平穏ではない時代が到来すると考えられます。
12回目となる“Secular Outlook-ピクテの長期的展望”では、世界経済がグローバル化の停滞や世界的な高齢化、ネットゼロへの移行、労働力不足などに直面する中、今後10年間の生産性向上は期待できないと結論づけました。
そのため、今後5年間の実質GDP成長率は控えめなものになると予想します。確かに、インドなどの改革志向の新興国経済大国では力強い経済拡大が予測されますが、米国と中国の伸び悩みがこれを相殺するでしょう。2029年までの世界の実質経済成長率は長期平均を下回る年率2.6%にとどまると見込みます。
事態を一層複雑にするのは、緩やかな経済成長が緩やかなインフレに直結しない可能性があることです。インフレは見通し期間の終盤にかけて中央銀行の目標範囲内に収まるものの、当局が望むものよりもボラティリティが大きくなる可能性があります。それは労働力不足と、ネットゼロへの移行がエネルギーや商品価格を中期的に押し上げる可能性があるためです。
こうした経済環境は、株式、債券、為替市場のダイナミクスにいくつかの面で変化をもたらすと考えます。第一に、株式の社債に対する超過リターンは平均を下回るでしょう。今後5年間、MSCI世界株価指数の構成銘柄は現地通貨ベースで年率7%の妥当なリターンを生み出すと予想しますが、社債に対する超過リターンは年率1%に過ぎず、過去5年間の実績である年率10%を大きく下回ります。そしてこのリターンを生み出すには、約2倍のリスクを伴います。
また、目立たないながらも重要なのは、地域・国別の株式市場間のリターンのバラツキが縮小することです。当社の予測では、先進国のほぼ全ての株式市場のリターンは年率7%前後に落ち着くとみています。
最後に、為替市場にもこれまでにはない力が生まれると考えます。それは米ドルの持続的な下押し圧力です。米ドルはトレード加重ベースで2029年までに年率2%程度の下落を予想しています。これら3つの変化の結果、投資家は今後5年間、これまでとは少し異なる道を辿ることになるでしょう。例えば、ポートフォリオに占める社債の割合を高め、米ドルと負の相関を持つ資産への配分を増やすべきです。また、地域別よりも業種別に資本を配分する方が有利かもしれません。
ルカ・パオリーニ
チーフ・ストラテジスト
ピクテ・アセット・マネジメント
図表1:資産クラス別リターン予想
5年、年率、%
出所:Pictet Asset Management,
forecast period 31.03.2024-31.03.2029
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ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
英語版:2024年6月公開
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