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改めて注目したい株式と金の組み合わせ効果
2021/12/21

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概要

「金」の価格は株式や債券などの主要資産と異なる値動きをする傾向があります。日本の投資家にも人気の高い米国株式と金を組み合わせて投資した場合の効果、米国株式と金の積立の効果について、過去のデータを用いてシミュレーションしてみました。



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米国株式と金の併せ持つ意味

「金」の価格は株式や債券などの主要資産と異なる値動きをする傾向があります。そのため、他の資産と組み合わせて持つことで、分散効果が期待できるほか、資産全体の運用効率を高めることにつながります。

一例として日本の投資家にも人気の高い米国株式と金を組み合わせて投資した場合の効果を見てみましょう。米国株式と金を同額(50%ずつ)保有した場合の過去20年間のパフォーマンスの実績が図表1と図表2で、図表1は米国株式と金(為替ヘッジをしたもの、以下、円ヘッジ)、図表2は米国株式と金(為替ヘッジをしていないもの、以下、円換算)を組み合わせたものです。

図表1:金(円ヘッジ)と米国株式、金(円ヘッジ)50%+米国株式50%の推移
月次、円ベース、期間:2001年11月末~2021年11月末

※金(円換算):ロンドン・ゴールド・マーケット・フィキシングLtd-LBMA PMフィキシング価格/USDを円換算、金(円ヘッジ):金価格からヘッジコスト(米ドル、円Libor1ヵ月物の金利差)を控除し算出、米国株式:S&P500種株価指数(配当込)、金(円ヘッジ)50%+米国株式50%および金(円換算)50%+米国株式50%は月次でリバランス ※リスクは月次リターンの標準偏差を年率化、リターンは年率 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

図表2:金(円換算)と米国株式、金(円換算)50%+米国株式50%の推移
月次、円ベース、期間:2001年11月末~2021年11月末

※金(円換算):ロンドン・ゴールド・マーケット・フィキシングLtd-LBMA PMフィキシング価格/USDを円換算、金(円ヘッジ):金価格からヘッジコスト(米ドル、円Libor1ヵ月物の金利差)を控除し算出、米国株式:S&P500種株価指数(配当込)、金(円ヘッジ)50%+米国株式50%および金(円換算)50%+米国株式50%は月次でリバランス ※リスクは月次リターンの標準偏差を年率化、リターンは年率 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

米国株式と金を組み合わせて保有することで、米国株式や金を単体で保有しているよりも、値動きを相対的に抑えつつ、ヘッジあり・なしどちらのケースも当該期間では年率9%超のリターンを上げることができました。

また、米国株式と金の組み合わせ比率を10%ずつ変化させた場合のリスク・リターン(有効フロンティア)(図表3)をみると、米国株式に対し金の保有比率を上げていくと(米国株式50%、金50%あたりまで)、リスクが下がり、リターンが上昇していることがわかります。つまり、米国株式に対し、金を10%、20%程度組み入れることでも、分散投資効果があることを示しています。

図表3:金と米国株式の持ち合わせによるリスク・リターンの変化
月次、円ベース、期間:2001年11月末~2021年11月末

※金(円換算):ロンドン・ゴールド・マーケット・フィキシングLtd-LBMA PMフィキシング価格/USDを円換算、金(円ヘッジ):金価格からヘッジコスト(米ドル、円Libor1ヵ月物の金利差)を控除し算出、米国株式:S&P500種株価指数(配当込)、金(円ヘッジ)50%+米国株式50%および金(円換算)50%+米国株式50%は月次でリバランス ※リスクは月次リターンの標準偏差を年率化、リターンは年率 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

過去20年間の金と米国株式の相関係数は、金(円ヘッジ)と米国株式が-0.16(逆相関)、金(円換算)と米国株式が0.16(低相関)でした。資産間の相関が逆相関の場合はそれぞれの資産が逆の動きを、相関が低い場合は価格の動きに関連性が小さいことを意味します。そのため、米国株式と金は、分散効果が期待できる可能性のある組み合わせと言えます。

金50%+米国株式50%を積み立てた場合

それでは、米国株式と金を積み立てた場合を見てみましょう。

毎月10万円を米国株式に全額投資した場合と、米国株式に5万円(50%)、金(円ヘッジ/円換算)に5万円(50%)投資した場合の20年間の積立シミュレーションが図表4です。米国株式と金の同額積立は、分散投資を行っていることもあり、米国株式全額投資の場合の積立評価金額を下回っています。

一方、米国株式への全額投資は、価格変動が相対的に大きいこともあり、評価金額が積立金額を長期間下回る期間がありましたが、米国株式と金の同額積立では、概ね評価金額が積立金額(灰色部分)を上回って推移していることがわかります。

この背景としてはリーマン・ショック時(2008年)のような金融市場の混乱時に金を組み合わせていたことで、米国株式の単体投資よりも下落率が抑えられたことがあげられます。

図表4:金50%+米国株式50%と米国株式の積立投資シミュレーション(毎月10万円積立)
月次、円ベース、期間:2001年11月末~2021年11月末


※積立シミュレーションは毎月月初に10万円投資した場合のシミュレーション
※金(円換算):ロンドン・ゴールド・マーケット・フィキシングLtd-LBMA PMフィキシング価格/USDを円換算、金(円ヘッジ):金価格からヘッジコスト(米ドル、円Libor1ヵ月物の金利差)を控除し算出、米国株式:S&P500種株価指数(配当込)、金(円ヘッジ)50%+米国株式50%および金(円換算)50%+米国株式50%は月次でリバランス
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

米国株式に一括投資し、併せて金を積み立てた場合

次に米国株式に一括投資し、併せて金の積み立てを行った場合を見てみましょう。

2001年11月末に米国株式に1,200万円一括投資し、同時に金(円ヘッジ/円換算)を毎月5万円、20年間積み立てた場合の投資シミュレーションが図表5、図表6です。

図表5:米国株式(1,200万円)一括投資と金(円ヘッジ)の積立投資(毎月5万円)のシミュレーション
月次、円ベース、期間:2001年11月末~2021年11月末

※積立シミュレーションは毎月月初に5万円投資した場合のシミュレーション
※金(円換算):ロンドン・ゴールド・マーケット・フィキシングLtd-LBMA PMフィキシング価格/USDを円換算、金(円ヘッジ):金価格からヘッジコスト(米ドル、円Libor1ヵ月物の金利差)を控除し算出、米国株式:S&P500種株価指数(配当込)、金(円ヘッジ)50%+米国株式50%および金(円換算)50%+米国株式50%は月次でリバランス
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

図表6:米国株式(1,200万円)一括投資と金(円換算)の積立投資(毎月5万円)のシミュレーション
月次、円ベース、期間:2001年11月末~2021年11月末

※積立シミュレーションは毎月月初に5万円投資した場合のシミュレーション
※金(円換算):ロンドン・ゴールド・マーケット・フィキシングLtd-LBMA PMフィキシング価格/USDを円換算、金(円ヘッジ):金価格からヘッジコスト(米ドル、円Libor1ヵ月物の金利差)を控除し算出、米国株式:S&P500種株価指数(配当込)、金(円ヘッジ)50%+米国株式50%および金(円換算)50%+米国株式50%は月次でリバランス
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

前頁の図表3「金と米国株式の持ち合わせによるリスク・リターンの変化」を振り返ると、過去20年間の実績では、金の比率が増えることで、米国株式だけを保有している場合に比べ、ポートフォリオのリスクが大きく低下していました。

以上のように、米国株式と金の組み合わせをご紹介してきました。ポートフォリオのリスクを低減させる一助として、今の時期だからこそ、金の組み合わせをご検討されてはいかがでしょうか。

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。



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