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- 「政策に売りなし」~バブルを見据えた投資戦略~ <萩野琢英 × 田中純平>
マーケットを知り尽くしたプロが多様なトピックを語り合う動画コンテンツ「Pictet Market Lounge」。萩野琢英とストラテジスト田中純平が、先進国の株式市場について語りました。
以下は二人の対談の中で触れられたトピックです。
- 金融緩和と財政支出はマーケットに大きな影響を及ぼし、現在のような緩和的な環境下では、株式のようなリスク資産は上がりやすい。
- ワクチンの接種状況は相場のかく乱要因になる可能性もあるので、柔軟に動けるように、流動性のある資産を保有することが大切。
- 短期的な過熱感はあるものの、長期的な目線でグリーン・エネルギー関連銘柄の動向には注目しておきたい。
相場をけん引する3つのドライバー
米国を中心に強い相場が続いているが、その背景には「巨額の財政支出」「金融緩和」「ワクチン」という3つの要因があるとみている。
「トリプルブルー」で注目、追加景気対策“1.9兆ドル”
バイデン大統領が誕生し、ジョージア州の決選投票で民主党が2議席を獲得。民主党が、大統領職に加え、上下両院も制する「トリプル・ブルー」を達成することを予想していた人は少なかったのではないか。
そして、ここにきて注目されているのが1.9兆ドルとも言われる追加景気対策。昨年12月に9,000億ドルの景気対策をまとめた後に出てきたこともあり、マーケットが盛り上がっている。ただし、共和党は巨額の財政支出に対しては反対しているので、規模を縮小しながらの成立が現実的ではないか。
“ロビンフッダー”再び?
米国では、大人一人に約14万円の現金給付を行う案が出ている。巣ごもりが進む中、昨年春に給付された資金の一部がマーケットに流れたように、今回もロビンフッダー※を中心に同様の現象が起こる可能性がある。
※手数料無料でスマホで手軽に株式投資ができることから若年層を中心に人気のアプリ「ロビンフッド」を利用する個人投資家のこと。
米10年国債利回りに上昇圧力
景気が良くなる局面では、先々の利上げを見越して国債利回りは上昇しやすい。それに加えて、民主党が巨額の財政支出を行おうとしていることも国債利回りの上昇圧力になってくる。
ピクテでは、年末に1.5%程度に至る可能性もあり、緩やかに上昇してくると見ている。ただ、財政支出の規模やワクチン接種状況による経済正常化の行方次第となるため、かなり流動的だと言える。
「クリーン・エネルギー関連株」爆騰!今後どうなる
太陽光や風力関連株については、株価のモメンタム(勢い)が非常に強い状況にある。勢いが強いだけに反動で下がることも警戒しないといけない。現在は、将来の理想像を先取りした動きにも取れるが、気候変動対策への投資は2020年代を通じたテーマになるので、継続して資金が向かう可能性もある。
「世界共通の目標」目指すは“脱炭素”
クリーン・エネルギー関連株のすそ野は非常に広い。また、2050年前に二酸化炭素排出量をゼロにするという、世界共通の目標がある。目指すゴールは、いずれの企業も同じなので関連銘柄に幅広く投資をすることが重要になる。
金融政策で注目すべきは“利上げのタイミング”
株価の変動を高めている背景には、中央銀行による金融緩和策がある。そこで、注目しておくべきは、量的緩和の縮小以上に「利上げのタイミング」だと考えられる。2000年代前半のITバブルの崩壊のきっかけも、中央銀行による利上げであったことも思い出される。
バブル。
当面はコロナ禍という状況にあるため、すぐに利上げという状況は考えづらい。一方で、バブルを如何に収束させていくかという課題はあるため、この過熱気味の状況が続くシナリオも考えられる。
「資産効果」の狙いとは
資産価格が上がることによって消費を増やす「資産効果」を実現することにより、コロナを乗り切ろうという思惑も中央銀行にあるのかもしれない。
変異ウイルスの影響に要警戒
報道ベースでは、開発されたワクチンは変異種にも有効だといわれているが、コロナが今年中に収束しないというリスクも考慮に入れておく必要がある。
欧州株の注目ポイント
変異種への警戒感がある欧州の株式市場で注目したいのは、指数の構成銘柄。その中には、景気の影響を強く受ける企業が多く含まれるのでその動きに注目したい。一方で、米国株にはGAFA※をはじめ景気の影響をあまり受けない企業も含まれている点は押さえておきたい。
※米国の主要IT企業であるグーグル(Google)、アマゾン(Amazon)、フェイスブック(Facebook)、アップル(Apple)の4社の総称。
投資家の物色に変化
株式市場は高値を更新しているが、GAFAは昨年の高値をまだ更新していない。そういう点からすると、投資家の物色対象は変化してきていることが読み取れる。
そうした中で中長期的に注目したいのがクリーン・エネルギー関連。世界各国が動いていることもあり、巨額の予算が付きやすかったり、規制の変更も考えられる。こうしたテーマにも分散投資しておくのも大切な考え方と言える。
ぜひ動画もご視聴ください。
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