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- 2021年の日経平均を読む 〜山高ければ谷深し〜 <萩野琢英 × 糸島孝俊>
マーケットを知り尽くしたプロが多様なトピックを語り合う動画コンテンツ「Pictet Market Lounge」。萩野琢英と糸島孝俊が堅調な動きを見せる日経平均株価指数や日本株について語りました。
以下は二人の対談の中で触れられたトピックです。
- 「金融政策」「財政政策」「コロナへの対応」が現在の相場を支えるエンジンとなり、株価は上昇している。
- 更なる上昇を正当化していくには、将来の業績改善が実現してくることが重要になる。
- 上昇相場だからこそ、リバランスや分散を心掛けることが大切になる。
日本株はどこまで上がる?
コロナにより減益になったこともあり、PER(株価収益率)はやや高い水準にあるが、2~3年後の業績回復を見込むとPERは10倍台となり、正当化はできる水準だと考えられる。ただ、2020年の高値を超えた銘柄は限られており、コロナに対応できた企業とそうでない企業の間で二極化が起こっていると言える。
堅調な日経平均株価指数のけん引役は値がさ株
日経平均株価指数の上昇は、株価そのものが高い「値がさ株」の影響が大きい。米国ではAppleなどのGAFA※関連銘柄やクリーンエネルギー関連銘柄などが買われている。小粒なのであまり目立っていないが、日本でもそういった銘柄が買われて大きく上昇した例も見られている。
※米国の主要IT企業であるグーグル(Google)、アマゾン(Amazon)、フェイスブック(Facebook)、アップル(Apple)の4社の総称。
世界の景気敏感株として日本株が注目されている
米中貿易戦争や世界景気の行方が見えづらかったこともあり、日本株は出遅れていた。これが、バイデン政権誕生への動きや良好な中国景気を受け、世界の景気敏感株とも言われる日本株が買われている面がある。ただし、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やESG、SDGsに対応できている日本企業はまだ少なく、こうした点に対応していく企業でなければ生き残れないのではないか。
日本の“不動産市場”動向に変化
東京23区の平均の土地価格は2005年に比べると2倍近くに上昇している。別荘需要やワーケーションといった動きもあるが、新築物件の供給が絞られているという需給面の影響も大きいと見る。一方、地方の中核都市などでは、そこまでの動きは見られていないので二極化しているのではないか。
2000年代の“イギリス型経済”を彷彿とさせる
都市の二極化という点からは、2000年代のイギリスを想起させる。当時、イギリス全土ではなく、ロンドンだけが景気が潤い、不動産価格や所得の上昇が見られる動きがあった。今の日本は金余りの状況もあり、これに似た動きがあるように思われる。
資産効果を実感するとき
資産価格が上昇することにより消費が増える「資産効果」というのは、日本ではバブル崩壊以降あまり経験をしてこなかった。しかし、今は資産効果の影響もあり株価が上がっている面もあるように感じる。
不可欠な3つのサポート「金融・財政・コロナ」
更なる株価上昇の可能性はある一方、「金融政策」「財政政策」「コロナへの対応」という現在の相場を支えるエンジンが止まると失速する可能性を考えておく必要がある。
バブルは8合目?
周囲の人間が強気か弱気かといった点は、需給を見る上での参考になる。出演者二人の感覚的には、すでに周囲の人間の8割は強気に傾いている。
レッド・オーシャンには要注意
クリーンエネルギー関連のように注目を集めている市場は、期待先行で上がりがち。また、多くの企業が参入してくるので、競争が激化しやすいという面もある。
バブルを経験した日本のみぞ知る経験値を生かす
ビットコインの急騰や米国におけるロビンフッド現象※などを見ると、現在はバブル的な側面がある。こうした相場と向き合う上では、過去の経験と照らし合わせて見極めていくことが重要になる。
※手数料無料でスマホで手軽に株式投資ができることから若年層を中心に人気のアプリ「ロビンフッド」が株高を支えているとする現象のこと。
Investing, caring 資産運用がもつ力、一人ひとりに
相場が上昇してくると失速を恐れて、保有している銘柄を全て売るという選択肢をとってしまうことがある。ただ、資産運用を続けるということが必要な時代においては、すべてではなく一部を売却し、その分をほかに分散するという考えも大切になるのではないか。
ぜひ動画もご視聴ください。
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