Pictet Patronage Alumni Concert '24

 ピクテ・パトロネージュ・アルムナイ・コンサート 2024



新旧パトロネージュ・アーティストが一同に集結するコンサート







2024年5月16日、サントリーホールにてピクテ・パトロネージュ・アルムナイ・コンサート2024が開催されました。イベントではピクテ史上最大の約1400名のお客様を無料招待し、滝千春さん・上野耕平さん・荒井里桜さん、ピアノ演奏者として 中野翔太さんの演奏をお楽しみ頂きました。

今回のコンサートでは、パトロネージュ・プロジェクト10周年を記念いたし、歴代のパトロネージュ・アーティストが全員集結いたしました。歴代のアーティストが時代を超越し、ヴァイオリンとサクソフォンに合わせピアノとともに独自の構成の音楽を披露し、プロジェクトの趣旨である、芸術がサステナブルな社会を実現していくうえで重要な要素であるというピクテの哲学を伝えました。このコンサートではソロだけでなく新旧アーティストが共演を行うプログラムとなっており、この日だけの演奏を楽しむことのできる特別な一日となりました。

前半では、各アーティストの3パートに分かれて演奏が行われました。まず初めに、滝さんの情熱的な演奏が会場に響きわたりました。ジョーン・ コリリアーノ:「ストンプ」は、滝さんがパトロネージュ・アーティストであった当時の演奏会で演奏された楽曲であり更なる技巧を携えながらも、パトロネージュ初期からのファンにとっては味わい深いものになったのではないでしょうか。続いて荒井さんとともにモーツアルトの楽曲を奏でました。モーツァルト:2台のヴァイオリンのための二重奏曲から第12番では二人の息の合った音色が織りなす楽曲が会場中に響き渡りました。

上野さんは、この日のために特別に編曲されたG.ビゼー/山中惇史編曲:カルメン・ファンタジー for サクソフォンにて迫力ある演奏でお客様を大いに震わせ、後半はジョアキーノ・ロッシーニ:ウィリアムテル序曲よりフィナーレにおいて荒井さんとの共演を行い、ヴァイオリンとサクソフォンによって奏でられるテンポの速い技巧的な音が波のように押し寄せました。

荒井さんは、上野さんと同じカルメンをピアノと共に演奏いたしましたが、ヴァイオリンとサクソフォンの異なる技法や音色を対比する演奏となりました。

後半、皆様の思い出に残るプロジェクトをお話しいただきました。滝さんにおいては、各コンサートにおいてヴァイオリン一本で演奏する事が一種の演奏家としての重要な経験であったとあり、上野さんにおいては指揮のチャレンジでサントリーホールにて演奏した経験を貴重なものだと明かし、荒井さんは先輩の経験を伺いつつキッズコンサートによって若者へのクラシックの良さをお伝えする重要性を語っていただきました。

トークの後は、パトロネージュ・プロジェクト卒業生の滝さんと上野さんがフィナーレを飾りました。ラッセル・ピーターソン:アルト・サクソフォン、ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲では、この三つの楽器のために作られた楽曲に、モダンでありながら情熱的な音色にクラシック音楽の新たな側面を見せるような演奏となり、最終楽曲 坂本龍一/狭間美帆編曲:Energy Flow では、グラミー賞ノミネート挟間美穂さんの編曲による優雅で強かな音色に、10周年となる本プロジェクトの記憶を紐解き、お客様、アーティスト、スタッフそれぞれの思い出が会場を包みました。

ご参加いただいた皆様に改めまして感謝申し上げます。本イベントの様子は特設サイトでも更新する予定ですで、どうぞご覧ください。






出演

滝千春(ヴァイオリン)

上野耕平(クラシック・サクソフォン)

荒井里桜(ヴァイオリン)

中野翔太(ピアノ)

 

滝 千春

ファジル・サイ:「クレオパトラ」

ジョーン・ コリリアーノ:「ストンプ」 

モーツァルト:2台のヴァイオリンのための二重奏曲から第12番 Op.70 1楽章&3楽章(共演 荒井里桜)

ジョーン・ウィリアムス:映画「イーストウィックの魔女たち」から「悪魔のダンス」

J.S. バッハ:ヴァイオリン・ソナタ第3番から「ラルゴ」

ギヤ・カンチェリ:ラグ=ギドン=タイム

 

上野 耕平

G.ビゼー/山中惇史編曲:カルメン・ファンタジー for サクソフォン

ジョアキーノ・ロッシーニ/山中惇史編曲:ウィリアムテル序曲よりフィナーレ (共演 荒井里桜)

 

荒井里桜

フバイ: 「カルメン」による華麗な幻想曲 Op. 3, No. 3  

 

滝 千春 × 上野 耕平

ラッセル・ピーターソン:アルト・サクソフォン、ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲

坂本龍一/挟間美帆編曲:Energy Flow