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- 基準価額動向と今後の運用方針
新型コロナウイルス感染拡大が長引くとの懸念を背景に世界の株式市場は急落し、その後各国の政策の発動を受けて株式市場は大幅反発するなど、金融市場は市場の不透明感の高まりから価格変動が大きくなっており、今後も市場が大きく下落する可能性もあり、当面慎重な姿勢が必要と考えます。一方、感染拡大が落ち着き、主要国の政策が評価された場合には市場が急反発する可能性もあります。こうした局面ではより銘柄を厳選し、より慎重な運用を行ってまいります。
新型コロナウイルス感染拡大を背景に市場は続落し、世界株式も大きく下落
世界の株式市場(MSCI世界株価指数、現地通貨ベース)は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済の成長を抑制するとの見方が強まり、企業業績にもマイナスの影響が懸念されることなどから2020年2月19日をピークに急落しました。また、リスク回避の動きから円高が進行し、米国10年国債利回りは一時0.4%を割り込み過去最低値を更新しました。
その後、米国議会が新型コロナウイルス景気対策法案で合意間近との期待が広がり、株式市場は大幅反発するなど、金融市場は市場の不透明感の高まりから価格変動が大きくなっています。
こうした市場全体の流れを受けて、当ファンドも年初来のマイナス幅が大きくなっています。
今後の運用方針
「嵐の目」の中に置かれると(長期の)視点を見失いがちですが、ファンドの投資戦略は、これまでにも、2008年や2014年、直近では2018年第4四半期の動揺時と同様のパフォーマンスを経験しています。小型株市場は、景気循環のいずれの局面においても、最も魅力的なリスク・リターン特性を見出すことの出来る市場でした。
ファンドのバリュエーション(基準)が示唆しているのは、(市場の動揺時に債券の代替とみなされる)(過去の)優良銘柄の多くが、ファンドのリターン目標を達成していないということです。その結果、相対的に良好なリスク・リターン特性が見られたのが、事業再生あるいは黒字転換を果たしつつ、長期的な高成長が見込まれる企業だったのです。資金調達面で「リスクが高い」とみなされる企業あるいは最終市場が足元の「イベント」に左右されがちな企業、またはその両方の特性を有する企業の株式のすべてが、大きく売り込まれる結果となっています。
運用チームは、個々の投資の見直し、即ち、投資の前提および投資家の懸念を生む特性の徹底的な再評価、を行っていますが、株価の下落幅は、大方の場合、ファンダメンタルズの悪化の程度と釣り合わない程大きいと考えます。ファンドの上値余地の中央値は60%超と、2011年の欧州債務危機時以来、最も高い水準にあると考えられ、今後の高いリターンが期待されます。
実際のところ、長期的に高い成長が見込まれ、財務基盤が堅固でありながら大きく売り込まれた銘柄の新規組入れあるいは保有銘柄の買増しの好機が散見されます。殆どの銘柄がチームの買入候補銘柄リストに掲載されていたため、株価の下げに乗じて迅速な買いが可能となりました。その結果、世界の市場に先んじて下落に転じたアジア市場を中心に売買回転率が上昇しています。
残念なことに、幾つかの案件については、投資判断を誤りました。極めて限定的ではあるものの、新型コロナウイルスの感染が拡大するにつれて自国市場で予想される動揺を乗り切ることが出来そうにないことが判明しつつある企業(上述のシネワールド(英国)等)にも投資を行いました。とはいえ、足元の状況は、特定の最終市場にとっては「正常な」景気後退(リセッション)局面の範囲を大きく逸脱した例外的な状況です。世界の広い地域でストレスが増し続ける状況では、債権者の権利放棄あるいは政府の支援のいずれかが得られるものと思われます。とはいえ、自社の運営が、一部、制御不能な企業(の株式)については、現時点では買い増しを控えています。取引相手が足元の異常な事業要件を一部受け入れることが判明した企業の株式の多くは、足元のバリュエーションの数倍の価値を有することになると考えます。
金融市場の不透明感が高まるなか、今後も市場が大きく下落する可能性もあり、当面慎重な姿勢が必要と考えます。一方、感染拡大が落ち着き、主要国政策が評価された場合には市場が急反発する可能性もあります。こうした局面ではより銘柄を厳選し、より慎重な運用を行ってまいります。
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