ブースト・アップ

シニア・フェロー市川眞一が政治や経済情勢を独自の視点で分析します。

11月05日

ATDによる7&iHD買収提案が重要な理由

セブン&アイ・ホールディングス(7&iHD)に対するアリマンタション・クシュタール(ATD)の買収提案は、日本の上場企業の経営に大きな転換を迫り、企業価値向上への契機になるのではないか。東京市場の特徴の一つは、企業価値が長期的に低水準であることだ。TOPIXの株価純資産倍率(PBR)は1.4倍であり、S&P500の5.2倍、NASDAQ総合指数の7.1倍と比べて著しく低い。それは、日本株が割安であることを示すのではなく、上場企業の株主資本利益率(ROE)が低さが背景だ。