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2020年11月のバイオ医薬品市場
2020/12/16

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概要


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バイオ医薬品関連企業の株価動向

11月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は上昇しました。

11月のバイオ医薬品セクターは、堅調な展開となりました。新型コロナウイルス・ワクチンの開発を進めてきたファイザー(米)(ビオンテック(独)と共同開発)とモデルナ(米)両社が良好な治験結果を発表したことが好感されました。一方、アストラゼネカ(英国)の治験については、有効性や投与法の再確認のための追加治験を必要とする可能性が示されました。株価が大きく上昇したファイザーとモデルナにバイオ医薬品セクター全体が連れ高となり、新型コロナウイルス関連の売上を伸ばした企業はとりわけ好調でした。

一方で新型コロナウイルス関連については、市場規模がそれほど大きくない可能性や複数の競合の存在、開発資金を提供してきた各国政府によるワクチン価格の上限設定が予想されることにも注意が必要です。

その他、個別銘柄では新型コロナウイルス・ワクチンについて感染症専門家が肯定的なコメントをしたことが伝えられたノババックス(米国)の株価が月末に急伸しました。

今後のバイオ医薬品市場見通し

バイオ医薬品セクターについては、一部の製薬企業やバイオ医薬品企業は新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発を急ピッチで行っています。良好な治験結果を受けて、英国では使用が許可されるなどワクチン開発は大きく進展しており、現在は生産能力などのボトルネックに注目が集まっています。

さらに米上院で共和党、民主党どちらが過半数を確保するかを決定するジョージア州の2議席の決選投票も重要なイベントです。バイデン大統領の誕生により、混沌とした状況が改善し、科学や規制当局への信頼性を高め、科学分野への政府支出を増やす可能性があります。一方、ねじれ状態の連邦議会は、超党派の支援がなければ法律を制定することが難しく、法案が急進的なものではなくより穏健なものになることを意味しています。民主党、共和党の超党派で進めているメディケア(高齢者向けの医療保険プログラム)の改革の動きが、医薬品の価格の引き下げにつながる可能性がありますが、量的増加につながり、全体的にはポジティブに働くと考えます。

現在、医薬品に関連する医療費の議論で重要な転換が起こっています。いくつかの国では治療の有効性に応じて医療費を支払う制度(価値に基づく医療)が利用されていますが、処方薬で最大のマーケットである米国においても、従来の出来高払い方式ではなく、同様の制度を求める声は、ますます大きくなっています。医薬品企業と同様に政府、規制当局、保険業者は、医薬品の開発においてイノベーションを抑制することなく、医薬品の費用を効率的に管理することができる妥協案を見つけることを必要としています。最も重要な利害関係者である患者は、破産のリスクにさらされることなく、高品質の治療を受けたいと考えています。これは、治療薬の開発といった科学的側面だけでなく、ビジネスモデルや先進的な思考、価値に基づいた契約といった側面においてもイノベーションを生む最高の機会となると考えます。


バイオ医薬品関連企業の売上高は相対的に高い伸びが見込まれる

バイオ医薬品関連企業の売上高は、新興国の企業を上回って堅調に成長してきました。(図表6参照)

バイオ医薬品関連企業については、①有望な治療薬候補の良好な治験結果の発表、②大型の新薬の承認、③新薬販売開始後の業績寄与の拡大などを背景に、米国企業や日本企業よりも相対的に高い売上高の伸びが見込まれています。(図表7参照)

売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表8参照)

バリュエーション


足元、新型コロナウイルスの治療薬およびワクチン開発への期待やバイオ医薬品企業の業績が景気動向に左右されにくい特性などが注目されて株価が上昇しており、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)の水準も上昇しています。(図表9参照)

(将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。)

 

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