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- 年初来の当ファンドの動向と今後の見通し
年初来、当ファンドのマザーファンドは+20%超上昇しています。しかし9月以降、相対的に低調となったことが影響し、米国株式を下回る推移となっています。バイオ医薬品株式については、米国における薬価を巡る議論や新型コロナウイルスの感染拡大による新薬開発の遅れなどがマイナス要因となっています。一方、中長期的には「新薬の開発」や「バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A」などが株価をけん引していくものと考えます。
当ファンドのマザーファンドは年初来で20%超の上昇
当ファンドのマザーファンドであるピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは年初来で20%超上昇している一方、上昇率は米国株式を下回っています(2021年12月21日現在)(図表1右、左参照)。
【2021年1-3月】2月上旬にかけてゲノム編集技術を有する銘柄などを中心にバイオ医薬品株式は堅調な動きとなりました。しかし2月中旬から3月にかけて米国の長期金利が急上昇しグロース株が下落した局面でバイオ医薬品株式も下落するなど、株価変動が大きくなりました。当ファンドのマザーファンドの3ヵ月間の騰落率は、為替が円安・ドル高となったこともあり+10%超となりました。
【2021年4-6月】景気回復期待などから世界の株式市場が上昇する中、ワクチン関連銘柄やゲノム編集技術を有する銘柄などが市場をけん引しバイオ医薬品株式も上昇しました。また市場で注目を集めていたバイオジェン(米国)のアルツハイマー型認知症治療薬が米食品医薬品局(FDA)により承認されたこともバイオ医薬品株式にとってプラス材料となり、当ファンドのマザーファンドも大きく上昇しました。
【2021年7-9月】新型コロナウイルスのデルタ変異株の流行や中国不動産開発大手の債務不履行(デフォルト)懸念などが世界の株式市場の下落要因となる中、バイオ医薬品株式にとってもマイナス要因となりました。ここまで大きく上昇していたワクチン関連銘柄も8月以降、勢いに陰りが見られ、当ファンドのマザーファンドは米国株式を下回るパフォーマンスとなりました。
【2021年10-12月】中小型株や新規株式公開(IPO)銘柄が軟調だったことや、FDAの承認申請に対する予想外の決定、(現在、候補者が指名され議会の承認待ちではありますが)FDA長官ポストが空席となっていることなどがマイナス要因となり、バイオ医薬品株式は米国株式を下回って下落し、当ファンドのマザーファンドも下落しています。
新薬の開発は順調
バイオ医薬品株式の主な上昇要因のひとつとして「新薬の開発」があります。
「新薬の開発」動向をはかる上でひとつの指標となる米国の新薬承認件数は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という厳しい環境下にありながらも、2020年が53件、2021年が12月22日時点で49件と高水準で推移しています(図表2参照)。
「新薬の開発」については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けながらも、がんや遺伝子治療など幅広い領域で多くのパイプライン(新薬候補)の開発が進められており、このことは中長期的なバイオ医薬品株式の成長要因となるものと考えます。
M&Aはここ数年では低調
バイオ医薬品株式のもうひとつの上昇要因である「バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)」の動きについては、2021年はここ数年では金額ベースでみると低調な水準となっています(図表3参照)。
一方で、大手医薬品企業や大手バイオ医薬品企業はパイプライン(新薬候補)を充実させる必要があり、革新的な治療薬の開発を進めているバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aの動きは継続するものと見られます。特にがん治療薬や遺伝子治療などで特色のあるバイオ医薬品企業は注目を集めるものと考えます。
足元、バイオ医薬品株式を取り巻く環境は、米国における薬価を巡る議論や新型コロナウイルスの感染拡大による新薬開発の遅れなどの不透明要因はあるものの、中長期的には「新薬の開発」、「バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A」などが株価をけん引していくものと考えます。
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