Article Title
バイオ|足元パフォーマンスが改善~注目ポイント
2022/08/05

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

●2022年5月以降、バイオ医薬品株式のパフォーマンスが改善
●M&Aの今後の動きに注目
●株価の調整によりバリュエーションは低下



Article Body Text

2022年5月以降、バイオ医薬品株式のパフォーマンスは改善

バイオ医薬品株式の代表的な指数であるナスダック・バイオテクノロジー指数は、2021年2月から米国株式(S&P500株価指数)に対してアンダーパフォームが続いていましたが、2022年5月以降、バイオ医薬品株式の米国株式に対する相対パフォーマンスは改善傾向にあります(図表1参照)。

バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)の大型案件が見られたこと、米国株式に対してアンダーパフォームが続いたことでバイオ医薬品株式の相対的な割安感が高まったことなどが要因として挙げられます。

 

M&Aの今後の動きに注目

大手医薬品企業や大手バイオ医薬品企業にとってバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)は、有力な治療薬やパイプライン(治療薬候補)、技術が獲得でき、成長の継続や主力医薬品の特許切れの問題を解決する有効な手段の一つとなっています。

一方で、買収の際には市場価値に上乗せされた価格が提示されることが多く、その場合、買収されたバイオ医薬品企業の株価は大きく上昇します。またM&Aが活況となれば、今後、M&Aのターゲットとなる可能性が高いとみなされたバイオ医薬品企業にも投資家の注目が集まり、バイオ医薬品株式のパフォーマンスを押し上げる要因になると考えます。

2018年、2019年と好調だったバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aの動きは、2020年以降、全体でみると低調な推移となっていました(図表2参照)。

しかし足元は、2022年5月10日にファイザー(米国)がバイオヘブン・ファーマシューティカル(米国)を116億米ドル(発表前日の株価を79%上回る買収プレミアム)、同6月3日にブリストル マイヤーズ スクイブ(米国)がターニング・ポイント・セラピューティクス(米国)を41億米ドル(発表前日の株価を122%上回る買収プレミアム)で買収することが発表されたほか、同7月上旬にはメルク(米国)によるシージェン(米国)の400億米ドル規模となる可能性がある買収交渉が進んだ段階にあると報道されるなど、M&Aの動きがみられ始めています。また、買収時に上乗せされる買収プレミアムも2022年は89.5%(2022年8月1日まで)と高水準となっています。

今後、M&Aの動きが再び活発化するかどうかが注目されます。

 

株価の調整によりバリュエーションは低下

バイオ医薬品株式のバリュエーション(投資価値評価)は低下しています(図表3参照)。

バイオ医薬品企業は、有望なパイプラインは保有しているものの、利益を上げていない企業が多いことから、PSR(株価売上高倍率)でバリュエーションの水準をみると、2021年夏以降のバイオ医薬品株式の下落に伴い大幅に低下し、2021年にかけてのバイオ医薬品株式の上昇局面が始まった2016年の時点よりも低い水準にあります。

 

その他の注目点

バイオ医薬品株式については、M&Aの動きやバリュエーションの低下のほかにも、以下のような点が注目されます。

ひとつめは遺伝子治療や遺伝子編集、抗体医薬などの新しい技術プラットフォームが革新的な治療薬・治療法を生み出しており、売上げ拡大期待も高まっていることです。

また、2022年2月に1年以上にわたり空席が続いていた米食品医薬品局(FDA)の長官にロバート・カリフ氏が任命されたことも注目点です。長官ポストが空席の間、新薬の審査などにおける予想外の決定などにより市場からのFDAに対する信頼性が揺らいでいましたが、かつて2016年から2017年にもFDA長官を務め、データを重視し、エビデンスに基づく判断を行うという点で進歩的であると評価されているカリフ長官の就任は、バイオ医薬品株式にとってもプラスに働くものと考えます。

バイオ医薬品企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)は健全なままであり、イノベーションが急速に進み、長期的な株主価値増大の機会を生み出す数少ない分野の一つであると考えます。バイオ医薬品企業を含む医薬品業界が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に対して果たした大きな役割がそれを物語っているといえます。

インフレや世界的な金融引き締め、景気減速懸念などには注意が必要ですが、経済活動正常化に伴い通院や治療を行う人が戻っていることは、業績面や臨床試験などの面でバイオ医薬品企業にとってプラスに働き、バイオ医薬品株式のパフォーマンスにも貢献するものと考えます。

 

 



●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資リスク、手続き・手数料等については以下の各ファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。

ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月決算型)為替ヘッジなしコース

ピクテ・バイオ医薬品ファンド(1年決算型)為替ヘッジなしコース

ピクテ・バイオ医薬品ファンド(1年決算型)円コース



関連記事


日付 タイトル タグ
日付
2024/11/20
タイトル バイオ|米大統領選挙でトランプ氏勝利~新政権下でのバイオ医薬品株式を考える タグ
日付
2024/10/30
タイトル バイオ|2024年7-9月のピクテ・バイオ医薬品ファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2024/09/30
タイトル バイオ|米国大統領選挙迫る、バイオ医薬品株式への影響と過去のパフォーマンスの振り返り タグ
日付
2024/09/19
タイトル バイオ|インフレ抑制法に基づく対象品目の薬価削減率は予想よりも小幅にとどまる タグ
日付
2024/08/30
タイトル バイオ|主要バイオ医薬品企業の2024年4-6月期決算と注目ポイント タグ
日付
2024/07/29
タイトル バイオ|2024年4-6月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2024/05/31
タイトル バイオ|主要バイオ医薬品企業の2024年1-3月期決算と注目ポイント タグ
日付
2024/05/02
タイトル バイオ|2024年1-3月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2024/03/22
タイトル バイオ|主要バイオ医薬品企業の2023年10-12月期決算と注目ポイント タグ
日付
2024/02/06
タイトル バイオ|2023年10-12月のピクテ・バイオ医薬品マザーファ ンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/12/27
タイトル バイオ|主要なバイオ医薬品企業の状況 タグ
日付
2023/12/22
タイトル バイオ|2023年のバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aの総額は1,200億米ドルに迫る タグ
日付
2023/11/28
タイトル バイオ|バイオ医薬品企業の注目の治療薬候補(パイプライン)の2023年の開発と承認の動向 タグ
日付
2023/10/27
タイトル バイオ|2023年7-9月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/10/12
タイトル バイオ|AIが加速する医薬品開発と主なバイオ医薬品企業のAI活用 タグ
日付
2023/09/22
タイトル バイオ|AIの活用が加速させる新薬開発~迅速なタンパク質の構造解明がもたらす効果 タグ
日付
2023/08/23
タイトル バイオ|バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aの総額は2021年、2022年を超える タグ
日付
2023/08/02
タイトル バイオ|2023年4-6月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/07/05
タイトル 最新科学がもたらすガン治療の進歩 タグ
日付
2023/05/29
タイトル バイオ|景気の先行き懸念が高まる中、バイオ医薬品株式が注目される可能性 タグ
日付
2023/05/01
タイトル バイオ|2023年1-3月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/04/19
タイトル バイオ|米バイオ医薬品企業プロメテウス・バイオサイエンシズを米医薬品大手メルクが108億米ドルで買収 タグ
日付
2023/03/16
タイトル バイオ|米バイオ医薬品企業シージェンを米医薬品大手ファイザーが430億米ドルで買収 タグ
日付
2023/03/02
タイトル バイオ|肥満の解消に取り組む医薬品企業 タグ
日付
2023/02/03
タイトル バイオ|2022年10-12月に相対的に好調なパフォーマンスとなったピクテ・バイオ医薬品マザーファンド タグ
日付
2023/01/18
タイトル バイオ|パフォーマンスの改善が続くバイオ医薬品株式の注目ポイント タグ
日付
2022/09/30
タイトル バイオ|バイオジェンがアルツハイマー病治療薬レカネマブ の良好な治験結果を発表、株価は大きく上昇 タグ
日付
2022/03/30
タイトル バイオ医薬品ファンド|年初来の動きと今後の見通し タグ
日付
2021/12/28
タイトル 年初来の当ファンドの動向と今後の見通し タグ
日付
2021/06/22
タイトル 年初来でバイオ医薬品株式が出遅れた背景 タグ
日付
2021/06/22
タイトル 年初来でバイオ医薬品株式が出遅れた背景 タグ
日付
2021/06/22
タイトル 年初来でバイオ医薬品株式が出遅れた背景 タグ
日付
2021/06/11
タイトル バイオジェンのアルツハイマー症治療薬が承認、FDAの判断に注目 タグ
日付
2021/06/11
タイトル バイオジェンのアルツハイマー症治療薬が承認、FDAの判断に注目 タグ
日付
2021/06/11
タイトル バイオジェンのアルツハイマー症治療薬が承認、FDAの判断に注目 タグ
日付
2021/01/19
タイトル コロナ禍でも新薬の開発は順調 タグ
日付
2021/01/19
タイトル コロナ禍でも新薬の開発は順調 タグ
日付
2021/01/19
タイトル コロナ禍でも新薬の開発は順調 タグ
日付
2020/12/17
タイトル 2020年もバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aが続く タグ
日付
2020/12/17
タイトル 2020年もバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aが続く タグ
日付
2020/12/17
タイトル 2020年もバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aが続く タグ
日付
2020/09/18
タイトル M&Aはバイオ医薬品株式の上昇要因 タグ
日付
2020/09/18
タイトル M&Aはバイオ医薬品株式の上昇要因 タグ
日付
2020/09/18
タイトル M&Aはバイオ医薬品株式の上昇要因 タグ
日付
2020/08/31
タイトル 米食品医薬品局(FDA)の新薬承認環境を考える タグ
日付
2020/08/31
タイトル 米食品医薬品局(FDA)の新薬承認環境を考える タグ
日付
2020/08/31
タイトル 米食品医薬品局(FDA)の新薬承認環境を考える タグ
もっと見る