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- バイオ|2023年4-6月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント
●2023年4-6月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは上昇したものの、パフォーマンスは米国株式を下回る
●金利上昇には警戒が必要だが利益成長期待は継続、M&Aの動きにも注目
2023年4-6月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは上昇~景気敏感セクターへ資金流入が続く中、パフォーマンスは米国株式を下回る
ピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは、2023年4-6月に+4.9%の上昇となりました。株式は基準価額の下落要因となったものの、為替が基準価額の上昇要因となりました。また米国株式(S&P500種株価指数)の+18.3%(円ベース)を下回るパフォーマンスとなりました。(図表1参照)。
2023年4-6月のバイオ医薬品株式市場(ナスダック・バイオテクノロジー指数)は、株式市場が5月後半以降、人工知能(AI)関連銘柄が注目を集め、大型ハイテク銘柄を牽引役に上昇する中、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ・セクターから景気敏感セクターへの資金流出が続いたことや、2024年の米大統領選を巡る不透明感、複数の期待外れの治験結果などが影響し、軟調な動きとなりました。一方、為替は、日銀が金融緩和策を継続していることなどを受けて円安・米ドル高となりました。
2023年4-6月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドのパフォーマンスへのプラス寄与となった銘柄としては、バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)、ブループリント・メディスン(米国)などが挙げられます。バーテックス・ファーマシューティカルズは、CRISPRセラピューティクス(スイス)と開発中の鎌状赤血球症/βサラセミア遺伝子編集治療承認申請を米食品薬品局(FDA)が受理したことなどから株価が上昇しました。ブループリント・メディスンは、FDAによる治験差し止めの解消や同社消化管間質腫瘍(GIST)の治療薬の全身性肥満細胞症(SM)への用途拡大が承認されたことなどが株価の上昇要因となりました。一方、マイナス寄与となった銘柄としては、ファイブロジェン(米国)、モデルナ(米国)などが挙げられます。ファイブロジェンは、肺疾患特発性肺線維症(IPF)の治療薬候補の治験失敗などが影響し、株価が大きく下落しました。モデルナは、インフルエンザ・ワクチンの治験結果が期待外れに終わったことに加え、新型コロナウイルス・ワクチンの売り上げ鈍化などを受けて株価が下落しました。
今後のポイント~金利上昇には警戒が必要だが利益成長期待は継続、M&Aの動きにも注目
バイオ医薬品企業は金利水準に敏感な一面があることから、米国や欧州などの利上げ長期化などには注意が必要です。また新型コロナ関連の売り上げが多かった企業についても、今後、感染が収束していけば、業績面で逆風に直面する可能性があるとみられます。
一方で、バイオ医薬品企業は、長期的に世界の人口増加と高齢化が同時に進展することが予想される中で、画期的な治療薬を提供し続けるものと予想され、相対的に高い利益成長が期待されます。また魅力的な新薬候補や高い技術力を求めて大手医薬品企業によるバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)の動きは、2023年に入りファイザー(米国)によるシージェン(米国)の買収(買収金額:約430億米ドル)などの大型案件がみられており、今後も継続することが期待され、バイオ医薬品株式にとってプラスに寄与するものとみています。
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