Article Title
バイオ|2024年10-12月のピクテ・バイオ医薬品ファンドの振り返りと今後のポイント
2025/02/04

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

●2024年10-12月にピクテ・バイオ医薬品ファンドは、3つのコースのうち、円コースが下落、為替ヘッジのない2コースは上昇
●利益成長期待は継続、M&Aの動きにも引き続き注目、トランプ政権の政策には注視が必要



Article Body Text

2024年10-12月にピクテ・バイオ医薬品ファンドは、3つのコースのうち、円コースが下落、為替ヘッジのない2コースは上昇

2024年10-12月にピクテ・バイオ医薬品ファンドの3コースのうち、「ピクテ・バイオ医薬品ファンド(1年決算型)円コース」は下落、「ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月決算型)為替ヘッジなし」と「ピクテ・バイオ医薬品ファンド(1年決算型)為替ヘッジなし」の2コースは上昇しました。

株式要因は、米国の金利上昇やトランプ新政権の政策の不透明感、12月に医療保険銘柄が大きく下落しヘルスケアセクター全体が軟調な動きとなったことなどにより、バイオ医薬品株式が下落し、3コースともマイナスとなりました。一方、為替市場で期間中、ドル円相場が大幅な円安・ドル高となったことから、為替ヘッジをしていない2つのコースは、為替要因が大きくプラスとなりました。

 

2024年10-12月に、組入上位銘柄のうちプラス寄与が大きかった主な銘柄は、ギリアド・サイエンシズ(米国)、ヴィアトリス(米国)、インサイト(米国)などでした。ギリアド・サイエンシズは、2024年7-9月期の四半期決算が市場予想を上回るなど、主力のHIV領域が好調で同社の業績に安定感を与えていることが好感され、株価の上昇が大きくなりました。ヴィアトリスは、2024年7-9月の四半期決算で、財務状況の安定が確認されたことなどを背景に株価が堅調な動きとなりました。インサイトは、2024年7-9月期の四半期決算で主力治療薬の売上が好調で売上高が市場予想を上回ったことなどが好感され11月上旬にかけて株価が上昇しました。その後は、BET阻害剤候補の治験の最新データで有効性が示されたものの、安全性のリスクが懸念されたことなどを受けて株価は下落基調となりましたが、期間中では株価は上昇しました。

組入上位銘柄以外では、良好な決算を発表し、業績見通しを引き上げた、がん領域に特化している米国のバイオ医薬品企業や、がんの遺伝子検査を提供する米国のヘルスケア・サービス企業の株価が大きく上昇しました。

一方、組入上位銘柄のうちマイナス寄与が大きかった銘柄は、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(米国)、アムジェン(米国)、モデルナ(米国)などでした。リジェネロン・ファーマシューティカルズは、主力の加齢黄斑変性治療薬アイリーアのバイオシミラー(バイオ後続品)を巡る訴訟で同社にとって不本意な判断が続いたことなどが影響し株価が大きく下落しました。アムジェンは、肥満症治療薬候補の治験結果を発表しましたが、株式市場から寄せられていた大きな期待を上回る結果ではなかったことから、株価は下落しました。モデルナは、ワクチン懐疑論者であるロバート・ケネディ・ジュニア氏が保健福祉省長官に起用されるとの発表が影響しました。その他、バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)やアストラゼネカ(英国)などの株価も軟調な動きとなりました。

 

2024年10-12月の投資行動

2024年10-12月に当ファンドでは、2024年10月末時点でイルミナ(米国)が組入上位10位内に登場しています。一方、組入上位10位以内に入っていたバイオジェン(米国)の組入比率を引き下げ、2024年12月末時点では組入上位10銘柄から外れています。

また組入上位の銘柄では、ギリアド・サイエンシズ、バーテックス・ファーマシューティカルズ、インサイトなどの組入比率を引き上げた一方、アムジェン、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、アストラゼネカなどの組入比率を引き下げました。

この投資行動により、組入上位10銘柄がポートフォリオに占める割合は、小幅ではありますが、低下しています。

 

今後のポイント~金利の動向やトランプ新政権による政策動向には警戒が必要だが、利益成長期待は継続、M&Aの動きにも引き続き注目

バイオ医薬品株式は、金利感応度が相対的に高い一面があります。米国では、各種経済指標で米国景気の底堅さが確認されていることもあり、今後、利下げ幅がどの程度になるのかは不透明な状況です。そのため、金利がどのように変動するかについては注意が必要と考えます。また、トランプ新政権が誕生しましたが、今後、ヘルスケア関連でどのような政策が実施されるかについては、バイオ医薬品企業にも影響を与える可能性があり注視する必要があると考えます。

一方で、バイオ医薬品企業は、長期的に世界の人口増加と高齢化が同時に進展することが予想される中で、画期的な治療薬を提供し続けると予想されており、相対的に高い利益成長が期待されます。また特許切れ問題に直面している大手医薬品企業は、治療薬のラインナップやパイプライン(新薬候補)を充実させることが求められています。そのため魅力的な新薬候補や高い技術力の獲得を目的とした大手医薬品企業によるバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)の動きは、米国大統領選挙を控えた2024年は低調でしたが、今後は、回復することが期待されています。M&Aの案件が増加した場合には、バイオ医薬品株式にとってプラスに寄与するものとみています。

引き続き、当ファンドでは、事業の収益性や安定性、バリュエーション(投資価値評価)の水準、株価の下落耐性などを考慮して銘柄選定を行い、リスクを抑えたポートフォリオを構築していく方針です。



●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。また、医薬品についてもあくまで参考として紹介したものであり、その医薬品を推奨するものではありません。

お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資リスク、手続き・手数料等については以下の各ファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。

ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月決算型)為替ヘッジなしコース

ピクテ・バイオ医薬品ファンド(1年決算型)為替ヘッジなしコース

ピクテ・バイオ医薬品ファンド(1年決算型)円コース



関連記事


日付 タイトル タグ
日付
2025/01/24
タイトル バイオ|イントラセルラー・セラピーズをジョンソン・エンド・ジョンソンが146億米ドルで買収 タグ
日付
2024/12/16
タイトル バイオ|主要バイオ医薬品企業の2024年7-9月期決算と注目ポイント タグ
日付
2024/11/20
タイトル バイオ|米大統領選挙でトランプ氏勝利~新政権下でのバイオ医薬品株式を考える タグ
日付
2024/10/30
タイトル バイオ|2024年7-9月のピクテ・バイオ医薬品ファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2024/09/30
タイトル バイオ|米国大統領選挙迫る、バイオ医薬品株式への影響と過去のパフォーマンスの振り返り タグ
日付
2024/09/19
タイトル バイオ|インフレ抑制法に基づく対象品目の薬価削減率は予想よりも小幅にとどまる タグ
日付
2024/08/30
タイトル バイオ|主要バイオ医薬品企業の2024年4-6月期決算と注目ポイント タグ
日付
2024/07/29
タイトル バイオ|2024年4-6月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2024/05/31
タイトル バイオ|主要バイオ医薬品企業の2024年1-3月期決算と注目ポイント タグ
日付
2024/05/02
タイトル バイオ|2024年1-3月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2024/03/22
タイトル バイオ|主要バイオ医薬品企業の2023年10-12月期決算と注目ポイント タグ
日付
2024/02/06
タイトル バイオ|2023年10-12月のピクテ・バイオ医薬品マザーファ ンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/12/27
タイトル バイオ|主要なバイオ医薬品企業の状況 タグ
日付
2023/12/22
タイトル バイオ|2023年のバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aの総額は1,200億米ドルに迫る タグ
日付
2023/11/28
タイトル バイオ|バイオ医薬品企業の注目の治療薬候補(パイプライン)の2023年の開発と承認の動向 タグ
日付
2023/10/27
タイトル バイオ|2023年7-9月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/10/12
タイトル バイオ|AIが加速する医薬品開発と主なバイオ医薬品企業のAI活用 タグ
日付
2023/09/22
タイトル バイオ|AIの活用が加速させる新薬開発~迅速なタンパク質の構造解明がもたらす効果 タグ
日付
2023/08/23
タイトル バイオ|バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aの総額は2021年、2022年を超える タグ
日付
2023/08/02
タイトル バイオ|2023年4-6月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/07/05
タイトル 最新科学がもたらすガン治療の進歩 タグ
日付
2023/05/29
タイトル バイオ|景気の先行き懸念が高まる中、バイオ医薬品株式が注目される可能性 タグ
日付
2023/05/01
タイトル バイオ|2023年1-3月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/04/19
タイトル バイオ|米バイオ医薬品企業プロメテウス・バイオサイエンシズを米医薬品大手メルクが108億米ドルで買収 タグ
日付
2023/03/16
タイトル バイオ|米バイオ医薬品企業シージェンを米医薬品大手ファイザーが430億米ドルで買収 タグ
日付
2023/03/02
タイトル バイオ|肥満の解消に取り組む医薬品企業 タグ
日付
2023/02/03
タイトル バイオ|2022年10-12月に相対的に好調なパフォーマンスとなったピクテ・バイオ医薬品マザーファンド タグ
日付
2023/01/18
タイトル バイオ|パフォーマンスの改善が続くバイオ医薬品株式の注目ポイント タグ
日付
2022/09/30
タイトル バイオ|バイオジェンがアルツハイマー病治療薬レカネマブ の良好な治験結果を発表、株価は大きく上昇 タグ
もっと見る