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- バイオ|イントラセルラー・セラピーズをジョンソン・エンド・ジョンソンが146億米ドルで買収
●米バイオ医薬品企業イントラセルラー・セラピーズが約146億米ドルで買収される
●大手医薬品企業は有力な治療薬やパイプライン(新薬候補)獲得のための選択肢の一つとして、バイオ医薬品企業をターゲットにしたM&Aを実施
米バイオ医薬品企業イントラセルラー・セラピーズを米大手医薬品企業ジョンソン・エンド・ジョンソンが約146億米ドルで買収
2025年1月13日、米大手医薬品企業ジョンソン・エンド・ジョンソンが、中枢神経系疾患の治療薬に強みを持つ米国のバイオ医薬品企業イントラセルラー・セラピーズを1株あたり132米ドル、総額約146億米ドルで買収することを発表しました。なお買収金額の1株あたり132米ドルは、前営業日の株価94.87米ドルを39%上回る水準となっています。
イントラセルラー・セラピーズは中枢神経領域に強みを持つバイオ医薬品企業です。主力治療薬は、統合失調症/双極性うつ病の治療薬カプリタで、2024年の売上高は6億米ドル台後半が見込まれています。また同薬は現在、大うつ病(MDD)や双極性躁病などへの適応拡大が進められており、最盛期には売上高が50億米ドル超となるとの見込みも示されています。
一方、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、2023年の売上高が100億米ドルを超える乾癬/クローン病/潰瘍性大腸炎の治療薬「ステラーラ」の特許切れに伴い、今後、同薬とバイオシミラー(バイオ後続品)との競争激化が予想されています。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、イントラセルラー・セラピーズの買収により、中枢神経領域における同社の存在感を強めることができるとともに、「ステラーラ」の競争激化の影響の一部を相殺することができる可能性があります。
大手医薬品企業にとって、バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aは、有力な治療薬やパイプライン(治療薬候補)獲得のための手段のひとつ
主力の治療薬の特許切れなどに直面する大手医薬品企業や大手バイオ医薬品企業にとって、バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)は、有力な治療薬やパイプライン(治療薬候補)、技術・知見が獲得でき、成長の継続や主力医薬品の特許切れの問題を解決する有効な手段のひとつとなっています。
一方で、買収の際には、市場価値に買収プレミアムが上乗せされた価格が提示されることが多く、その場合、買収されるバイオ医薬品企業の株価は大きく上昇します。またM&Aが活況となれば、今後、M&Aのターゲットとなる可能性が高いとみなされたバイオ医薬品企業にも投資家の注目が集まり、バイオ医薬品株式市場全体のパフォーマンスを押し上げる要因にもなります。
2025年はバイオ医薬品企業をターゲットとしM&Aの回復が期待される
大手医薬品企業によるバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aは、2024年は米国大統領選挙を控えていたこともあり、ここ数年の中では低調な水準となりましたが、2025年は回復が期待されています。前述の通り、特許切れ問題に直面する大手医薬品企業にとって、M&Aは事業を拡大する上で重要な選択肢のひとつとなっており、魅力的な新薬候補や高い技術力を有するバイオ医薬品企業はM&Aのターゲットとして注目を集めるものと考えます。
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