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- バイオ|主要バイオ医薬品企業の2024年7-9月期決算と注目ポイント
●2024年7-9月期の主要バイオ医薬品企業の決算は概ね好調
●主要バイオ医薬品企業は、HIV予防薬や非オピオイド鎮痛剤、肥満関連、炎症関連、がん関連など期待の治療薬候補(パイプライン)の開発状況に注目が集まる
2024年7-9月期の主要バイオ医薬品企業の決算は概ね好調
当ファンドが投資対象とするバイオ医薬品企業の2024年7-9月期の決算内容は概ね好調となりました。
当ファンドの組入上位の銘柄では、ギリアド・サイエンシズ(米国)、バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(米国)、インサイト(米国)が、主力治療薬の販売が好調だったことから売上高、利益ともに市場予想を上回る決算となりました。またアムジェン(米国)は、売上高は市場予想を小幅に下回りましたが、利益は市場予想を上回りました。
業績は好調だった一方で、アムジェンは肥満症治療薬候補の治験結果が期待に届かなかったことから、リジェネロン・ファーマシューティカルズは、主力の加齢黄斑変性治療薬アイリーアを巡る不透明感などから株価が軟調な動きとなりました。
ギリアド・サイエンシズ(米国)
2024年7-9月期の決算は、売上高、1株当たり利益ともに市場予想を上回りました。また、2024年通期ガイダンスについて、売上高を従来の271~275億米ドルから278~281億米ドルに、1株当たり利益(調整後)を従来予想の3.60~3.90米ドルから4.25~4.45米ドルにそれぞれ引き上げました。
同社の基幹領域であるHIV治療薬のビクタルビの売上高が前年同月比+13%と大きく伸びたことに加え、肝疾患領域の治療薬群などが堅調で業績をけん引しました。
またHIV関連では、予防薬レナカパビルについては、治験結果が良好で、年内にも承認申請が開始される見通しです。
バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)
2024年7-9月期の決算は、主力の嚢胞性線維症治療薬トリカフタ/カフトリオが好調で、売上高、1株当たり利益ともに市場予想を上回りました。また通期の売上高見通しについても上方修正しました。
注目の非オピオイド鎮痛剤スゼトリギンは2025年1月30日までに、嚢胞性線維症の新しい治療薬は2025年1月2日までに米FDAによる承認審査の結果が判明する予定です。さらにIgA腎症治療薬候補や1型糖尿病患者向けの膵島細胞の素充填薬候補など多くの注目のパイプライン(新薬候補)の開発動向が注目されています。
アムジェン(米国)
2024年7-9月期の決算は、売上高が小幅に市場予想を下回りましたが、1株当たり利益は市場予想を上回りました。少なくとも10の治療薬が前年同期比で二桁の売上成長を達成するなど、既存薬の販売は好調に推移しています。
2024年通期ガイダンス(業績予想)については、従来予想に対して下限を引き上げました。
市場での期待が大きかった肥満治療薬候補マリタイドについては、良好な治験結果を発表しましたが、高い期待には届かず、発表後に株価は下落しました。
リジェネロン・ファーマシューティカルズ(米国)
2024年7-9月期の決算は、売上高、1株当たり利益ともに市場予想を上回りました。ぜんそく、アトピー性皮膚炎などの治療薬デュピクセント(サノフィ(仏)との共同開発)と加齢黄斑変性症治療薬アイリーアが業績をけん引しました。
主力薬デュピクセントの慢性閉塞性肺疾患(COPD)への適応拡大が米FDAにより2024年9月に承認されました。
一方、加齢黄斑変性治療薬アイリーアについては、バイオシミラー(バイオ後続品)を巡る訴訟で同社にとって不本意な判断が続いていることや、従来の製品から高用量製品への移行が遅れており、同社の株価の下落要因となっています。
インサイト(米国)
2024年7-9月期の決算は売上高、1株株当たり利益ともに市場予想を上回りました。なお会社全体の通期ガイダンスは発表していませんが、主力治療薬ジャカフィについては、売上見通しを従来の27.1億~27.5億米ドルから27.4億~27.7億米ドルに上方修正しました。
主力治療薬ジャカフィに加え、アトピー性皮膚炎治療薬オプゼルラが好調で、業績をけん引しました。
抗PD-1抗体ザイニズの扁平上皮細胞癌(SCAC)、肛門がんおよび非小細胞肺癌(NSCLC)、CD19標的抗体モンジュビの濾胞性リンパ腫への適応拡大の治験が進んでおり、今後が注目されます。
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