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主要バイオ医薬品企業の2024年4-6月期決算と注目ポイント
2024/08/30

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概要

●2024年4-6月期の主要バイオ医薬品企業の決算は売上高が概ね好調
●主要バイオ医薬品企業は、HIV予防薬や非オピオイド鎮痛剤、肥満関連、炎症関連など注目の治療薬候補(パイプライン)の開発が進展



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2024年4-6月期の主要バイオ医薬品企業の決算は売上高が概ね好調

当ファンドが投資対象とするバイオ医薬品企業の2024年4-6月期の決算内容はまちまちとなりました。

当ファンドの組入上位の銘柄では、ギリアド・サイエンシズ(米国)、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(米国)が、主力治療薬の販売が好調だったことから売上高、利益ともに市場予想を上回る決算となりました。またアムジェン(米国)は企業買収による費用の増加、モデルナ(米国)は治験などの費用の増加などが影響し利益は市場予想を下回りましたが、売上高は市場予想を上回りました(モデルナは赤字)。一方、バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)は、売上高が小幅に市場予想を下回りましたが、2024年通期の売上高見通しは引き上げました。

 

 

ギリアド・サイエンシズ(米国)

2024年4-6月期の決算は、売上高、1株あたり利益ともに市場予想を上回りました。また、2024年通期ガイダンスについて、1株当たり利益(調整後)を従来予想の3.45~3.85米ドルから3.60~3.90米ドルに引き上げました。

同社の基幹領域であるHIV治療薬のビクタルビの売上が前年同月比+8%と伸びた他、がん領域のイエスカルタ、テカルタス(ともに細胞療法)、肝疾患領域の治療薬群などが堅調で業績をけん引しました。またHIV関連では、予防薬レナカパビルの年2回注射の治験でHIV感染を完全に予防したとの治験結果を発表しました。

 

 

アムジェン(米国)

2024年4-6月期の決算は売上高が市場予想を上回った一方、1株当たり利益は市場予想を下回りました。ホライゾン・セラピューティクス買収が、収益力強化につながった一方で、買収に絡む費用の増加が利益を押し下げました。また少なくとも12の治療薬が前年同期比で二桁の売上成長を達成しました。

2024年通期ガイダンス(業績予想)については、従来予想に対して若干、上方修正しています。

現在、開発中の肥満治療薬候補マリタイドについては、治験が進行中で、2024年中にはデータが取得される予定で、引き続き注目されます。

 

 

リジェネロン・ファーマシューティカルズ(米国)

2024年4-6月期の決算は、売上高、利益ともに市場予想を上回りました。ぜんそく、アトピー性皮膚炎などの治療薬デュピクセント(サノフィ(仏)との共同開発)と加齢黄斑変性症治療薬アイリーア(高用量)が業績をけん引しました。

主力薬デュピクセントの慢性閉塞性肺疾患(COPD)への適応拡大についての米FDAによる審査結果は2024年9月27日までに判明する見通しです。また多発性骨髄腫(MM)治療薬候補リンボセルタマブの米FDAによる審査は製造設備の問題で遅れています(同社は問題は解消しているとしています)。そのほか、米国では承認されていませんが、リンパ腫治療薬オルドスポノが欧州委員会(EC)により承認されました。

 

 

バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)

2024年4-6月期の決算は、主力の嚢胞性線維症治療薬トリカフタ/カフトリオが好調でしたが、売上高は小幅に市場予想を下回りました。また、既存治療薬の販売促進および開発中のパイプラインへの投資による費用増に加え、アルパイン・イミューン・サイエンシズの買収による費用などが影響し、利益は赤字となりました。一方、通期の売上高見通しについては、引き上げました。

注目の非オピオイド鎮痛剤スゼトリギンは2025年1月30日までに、嚢胞性線維症の新しい治療薬は2025年1月2日までに米FDAによる承認審査の結果が判明する予定です。また鎌状赤血球症/βサラセミアの遺伝子治療キャスゲビィの販売拡大にも取り組む方針を示しました。

 

 

モデルナ(米国)

2024年4-6月期の決算は売上高が市場予想を上回った一方、1株当たり損失については市場予想よりも悪い数値となりました。なお2024年通期ガイダンスについては、欧州連合(EU)における新型コロナウイルスワクチンの販売が低迷するとの見通しなどを受けて、売上高の予想を引き下げました。

RSVワクチンは2024年5月に米FDAにより承認され、7月より出荷を開始しています。またメルク(米国)とのがんワクチンの開発については、治験が順調に進んでおり、引き続き注目されています。

 

 



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