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- グローバル株式市場の振り返り(2023年4月)―ファクターとセクターの観点から
4月のグローバル株式市場をファクターとセクターの観点から振り返ります
■ ファクター
前月の米国シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻に端を発する金融不安が、足元までのところ大きく広がらなかったと受け止められ、4月は全体として堅調な展開となりました。こうした中で、これまでパフォーマンスがよかった銘柄(現状ではエネルギーやヘルスケア・セクターの銘柄が多い)からなるモメンタム、値動きの振れの小さい低ボラティリティーや高配当などが相対的に堅調でした。一方、小型株の値動きの影響を大きく受ける均等配分が苦戦しました。
過去1年ではクオリティ、エンハンスト・バリュー、高配当など企業業績の収益性の高さや株価の割安さが特長のファクターが堅調となりました。対してモメンタム、均等配分が苦戦しました。
また、4月は大型株が小型株に対して優勢で、バリューがグロースに対して優勢でした。過去1年では大型、グロースが相対的に優勢でした。
■ セクター
4月はエネルギー、生活必需品、ヘルスケアが堅調で、一般消費財・サービス、情報技術、素材が苦戦しました。
エネルギーはOPECプラスによる原油の追加減産発表を受けて堅調となりました。また生活必需品やヘルスケアなどディフェンシブ(景気変動の影響を受けにくい)セクターも堅調でした。一方、景気変動の影響を受けやすい一般消費財・サービスなどのシクリカル・セクターが軟調でした。米国などの利上げや金融不安を背景にした銀行の貸し出し態度の厳格化など、実体経済への影響や業績悪化リスクが意識されたようです。
過去1年では、依然としてエネルギーの上昇が大きく、資本財・サービスも堅調でした。一方、金利上昇や金融不安による資金調達や主に商業用不動産の市況への影響が懸念され不動産が大きく苦戦しました。
ファクターとは
ファクターとは、株式や債券など資産や個別銘柄のリターンを過去、長期にわたり生み出してきたとされるリターンの源泉です。リターンやリスクの要因を説明する共通の要因(特性)のことです。ここでは、以下の主なファクターを獲得するように作られた各指数を用いて分析しています。
均等配分:グローバル株価指数(時価総額基準)の採用銘柄を均等配分で投資した場合のパフォーマンスを示す。小型株の構成比が時価総額基準の指数に比べて高くなる傾向にある。
モメンタム:過去6ヵ月、12ヵ月など過去において、パフォーマンスのよかった銘柄
エンハンスト・バリュー:各セクターの中で、利益、資産、キャッシュフローの観点で株価が割安な銘柄
高配当:相対的に配当利回りの高い銘柄
クオリティ:利益率、財務体質、業績の安定性の点で優れている銘柄
低ボラティリティー:株価のボラティリティー(変動)や下落率が小さかった銘柄
大型株、小型株:時価総額が相対的に大きい銘柄、小さい銘柄
グロース:業績の成長性の高い銘柄
バリュー:株価の割安な銘柄
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