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- グローバル株式市場の振り返り(2023年6月)- ファクターとセクターの観点から
6月のグローバル株式市場をファクターとセクターの観点から振り返ります。
■ ファクター
世界の株式市場はAI(人工知能)関連業界の成長期待、米連邦政府の債務上限問題の解決、ユーロ圏や米国のインフレ率が鈍化したことなどを背景に上昇しましたが、米国の年内の追加利上げ観測が強まったことや、ユーロ圏および米国の景気の先行き懸念が高まったことなどから、軟調な局面もありました。月末にかけては、米国の良好な経済指標の発表が続いたことなどから株式市場は反発し、月間でも上昇となりました。こうした中で、これまでパフォーマンスがよかった銘柄からなるモメンタム、セクター内でバリュエーションの低い銘柄からなるエンハンスト・バリュー、財務体質が健全で利益率の高い銘柄からなるクオリティが堅調でした。一方、高配当、均等配分、低ボラティリティーが苦戦しました。
過去1年でも同様にクオリティ、エンハンスト・バリュー、モメンタムが堅調だった一方で、高配当、低ボラティリティー、均等配分が苦戦しました。
また、6月は大型株、小型株およびグロース、バリューともに大きな差はありませんでした。過去1年では大型、グロースが相対的に優勢でした。
■ セクター
6月は良好な経済指標の発表などを背景に、一般消費財・サービス、資本財・サービス、素材などのシクリカル・セクターが堅調となる一方で、公益事業、コミュニケーション・サービス、ヘルスケアなどの景気変動の影響を受けにくい傾向のあるディフェンシブ・セクターが苦戦しました。
過去1年では、情報技術の上昇が大きく、資本財・サービスも堅調でした。一方、金利上昇や金融不安による資金調達や主に商業用不動産の市況への影響が懸念された不動産が大きく苦戦したほか、公益事業も苦戦しました。
ファクターとは
ファクターとは、株式や債券など資産や個別銘柄のリターンを過去、長期にわたり生み出してきたとされるリターンの源泉です。リターンやリスクの要因を説明する共通の要因(特性)のことです。ここでは、以下の主なファクターを獲得するように作られたMSCIの各指数を用いて分析しています。
均等配分:グローバル株価指数(時価総額基準)の採用銘柄を均等配分で投資した場合のパフォーマンスを示す。小型株の構成比が時価総額基準の指数に比べて高くなる傾向にある。
モメンタム:過去6ヵ月、12ヵ月など過去において、パフォーマンスのよかった銘柄。(使用している指数では、構成銘柄は通常年2回のペースで見直されます。)
エンハンスト・バリュー:各セクターの中で、利益、資産、キャッシュフローの観点で株価が割安な銘柄
高配当:相対的に配当利回りの高い銘柄
クオリティ:利益率、財務体質、業績の安定性の点で優れている銘柄
低ボラティリティー:株価のボラティリティー(変動)やベータ等の低い銘柄
大型株、小型株:時価総額が相対的に大きい銘柄、小さい銘柄
グロース:業績の成長性の高い銘柄
バリュー:株価の割安な銘柄
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