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- グローバル株式市場の振り返り(2023年9月)― ファクターとセクターの観点から
9月のグローバル株式市場をファクターとセクターの観点から振り返ります。
■ ファクター
世界の株式市場は、月前半は原油高や好調な経済を背景に米国の長期金利が上昇したことや、欧州や中国の経済成長が鈍化するとの懸念などがマイナス要因となった一方、欧州中央銀行(ECB)が利上げ打ち止めを示唆したことなどがプラス要因となり横ばいでの推移となりました。しかし月半ば以降は、需要が低迷するとの懸念から半導体関連銘柄が大きく下落したことに加え、米国や欧州などの主要中央銀行が政策金利を当面、高水準で維持するとの見方が強まったことなどを背景に世界の株式市場は下落基調となり、月間でも下落となりました。
こうした中で、セクター内でバリュエーションの低い銘柄からなるエンハンスト・バリューが相対的に下落幅が小さかった一方、テクノロジー関連の銘柄の多いクオリティ、これまでパフォーマンスのよかった銘柄からなるモメンタム、小型株の値動きの影響を大きく受ける均等配分などが苦戦しました。
過去1年では、クオリティ、エンハンスト・バリューが堅調だった一方で、低ボラティリティー、モメンタム、均等配分が苦戦しました。
また、9月はいずれも相対的に大型株が小型株より、バリューがグロースより優勢でした。過去1年では大型、グロースが相対的に優勢でした。
■ セクター
9月も原油価格が上昇となったことなどからエネルギーが上昇したほか、金融、コミュニケーション・サービス、ヘルスケアなどが相対的に小幅な下落にとどまった一方で、情報技術、不動産、一般消費財・サービスなどが苦戦しました。
過去1年では、情報技術の上昇が大きく、コミュニケーション・サービス、エネルギー、資本財・サービスも堅調でした。一方、金利上昇や金融不安による資金調達や主に商業用不動産の市況への影響が懸念された不動産のほか公益事業も苦戦しました。
ファクターとは
ファクターとは、株式や債券など資産や個別銘柄のリターンを過去、長期にわたり生み出してきたとされるリターンの源泉です。リターンやリスクの要因を説明する共通の要因(特性)のことです。ここでは、以下の主なファクターを獲得するように作られたMSCIの各指数を用いて分析しています。
均等配分:グローバル株価指数(時価総額基準)の採用銘柄を均等配分で投資した場合のパフォーマンスを示す
小型株の構成比が時価総額基準の指数に比べて高くなる傾向にある
モメンタム:過去6ヵ月、12ヵ月など過去において、パフォーマンスのよかった銘柄(使用している指数では、構成銘柄は通常年2回のペースで見直される)
エンハンスト・バリュー:各セクターの中で、利益、資産、キャッシュフローの観点で株価が割安な銘柄
高配当:相対的に配当利回りの高い銘柄
クオリティ:利益率、財務体質、業績の安定性の点で優れている銘柄
低ボラティリティー:ポートフォリオのリスクを最小化することを目的に最適化した銘柄からなるもので、株価のボラティリティー(変動)やベータ等の低い銘柄が多い
大型株、小型株:時価総額が相対的に大きい銘柄、小さい銘柄
グロース:業績の成長性の高い銘柄
バリュー:株価の割安な銘柄
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