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ピクテと共に3つのメガトレンドを探る
2023/12/05

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概要

本稿では、資源不足、(脱)グローバル化、サービス経済という3つのメガトレンド*について、その原因を究明し現状を把握して、投資の機会を探ります。



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本稿について

ピクテは、3つのメガトレンドを取り上げ、その詳細な分析を行うこととしました。分析に先立って行ったのは、社内の運用担当者、社外の有識者で構成される弊社のテーマ株式運用のための諮問委員会(「ピクテ・セマティック・アドバイザリー・ボード」)メンバー、産業界、学界、経済界の第一人者など、数十人を対象にしたアンケート調査です。本稿では、調査結果をもとに、3つのメガトレンドについて、原因、現状ならびに投資の機会を明らかにしたいと考えます。 

 

資源不足  

世界経済の拡大と人口の増加が続いていますが、入手可能な資源は減少基調を示しています。供給の伸びが需要の伸びに追い付かず、供給不足が生じているからです。

入手可能な水についても、質の悪化と量の減少が続いており、人口一人当たりの入手可能かつ利用可能な水の量は、世界中で減少しています。幸いなことに、(再生、再利用のための)廃棄物回収や水資源管理に係る特許件数は、2000年以降、ほぼ倍増しています。

 

(脱)グローバル化

(脱)グローバル化を推進する二つの側面が注目されます。一つは貿易の減少で、もう一つは、中国やその友好国の利益と、米国や欧州の同盟国や友好国の利益との整合性が薄れつつあるという事実です。

企業は、自国政府が良好な関係を失った国に供給源を依存することのリスクを認識しているものの、グローバル化を反転させれば対処出来るというほど単純な問題ではありません。明白な事実は、世界貿易(GDP(国内総生産)比の輸出と輸入の合計)が2008年にピークを付け、その後減少基調をたどっているということです。

 

サービス経済

サービス経済、すなわち、製造業や農業とは対照的に、サービス産業によって創出される価値が、世界で創出された価値全体に占める割合は、とりわけ新興国で急拡大しようとしています。経済のサービス化は、既に起こっているのです。世界の中所得国において、就業者全体に占めるサービス業従事者の比率は、1991年の35%から2019年には52%と、50%上昇しています。この間、高所得国のサービス業就業率も、64%から74%へと上昇しています。

新興国は、サービス経済への参入を果たし、(IT業界の外部委託先となったインドのように)世界経済とつながることに成功するなら、巨額の資本と大量の資源を必要とする工業化の段階を経ずに済むかもしれません。

 

 



*長期にわたって、世界の社会や経済に大きな変革をもたらす構造的な潮流


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