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- 2024年の貴金属市場の見通し
・2024年の金価格は緩やかな上昇を予想
・貴金属の中では銀が最も魅力的な投資対象となる可能性
2024年前半の貴金属市場を取り巻く環境は、依然として困難なものとなる可能性があります。米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派の姿勢を維持することで、米ドル高が継続する可能性があるためです。
しかし、インフレ圧力の後退と世界の経済活動の鈍化により、先進国の主要な中央銀行が金融政策を行う上での最優先事項は、インフレとの闘いから経済成長の支援へと変化することが想定されます。そのため、長期金利の上昇余地は限定的であるとみられ、利息を生まない資産である金や銀の投資対象としての魅力度は、ある程度改善する可能性があります。また、2024年後半には世界経済の見通しが改善することで、貴金属の産業需要を下支えする要因になると期待されます。
2022年以降、金の需要には構造的な変化が生じているとみられます。今後の金への投資需要は過去10年間よりも低下する可能性がありますが、各国の中央銀行などの公的機関からの需要は高水準で安定的な推移になると予想されます。多くの国で金利がピークアウトする可能性があることは、利息を生まない資産である金の相対的な魅力の向上につながると考えられることから、金価格の下支え要因になると期待されます。また、高水準の長期金利が長期間にわたって維持された場合においても、必ずしも金価格にとって逆風になるとは限らないとみています。なぜならば、高水準の長期金利は、高債務国が新たに資金調達を行うことや、債務を果たす能力についての懸念を引き起こすことにつながり、そのような環境ではデフォルト(債務不履行)リスクのない金への資金流入が増加することが予想されます。そのため、全体として、金価格は2024年に緩やかに上昇すると予想しています。
金以外の貴金属に着目した場合、銀が金以上に魅力的な貴金属となる見込みです。主要な中央銀行の金融政策が緩和方向に転じるとの見方に加えて、供給不足が続いていることが銀価格の支援材料になると考えられます。
また、長期的には、グリーン・エネルギーへの移行という構造的な環境の変化が、太陽光発電などに利用される銀や、燃料電池などに利用されるプラチナの産業需要を一段と引き上げる可能性があります。
このように、2024年の市場環境は貴金属にとって良好なものとなり、パフォーマンスが金を上回る貴金属も多いと予想されます。
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