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- グローバル株式市場の振り返り(2023年11月)― ファクターとセクターの観点から
11月のグローバル株式市場をファクターとセクターの観点から振り返ります。
■ ファクター
世界の株式市場は、月初より米連邦準備制度理事会(FRB)や英中央銀行(イングランド銀行、BOE)が政策金利の据え置きを発表し、利上げ終了観測が高まったことなどを背景に上昇しました。中旬にかけても、米国や欧州でインフレの鈍化傾向が鮮明となったことや欧米企業の良好な四半期決算の発表などが好感され、株式市場は引き続き上昇基調を維持しました。その後、月末にかけては、欧米の金融当局者による金融政策を巡る発言やインフレ、景気動向などの材料を織り込みながら株式市場は高値圏で推移し、月を通せば大幅な上昇となりました。
こうした中で、テクノロジー関連の優良銘柄の多いクオリティ、これまでパフォーマンスのよかった銘柄からなるモメンタム、セクター内でバリュエーションの低い銘柄からなるエンハンスト・バリューの上昇が大きくなった一方、株価の変動の比較的小さい銘柄の多い低ボラティリティー、配当利回りの高い銘柄からなる高配当が相対的に小幅な上昇にとどまりました。
過去1年では、クオリティ、エンハンスト・バリューが堅調だった一方で、低ボラティリティー、均等配分が苦戦しました。
また、11月は久しぶりに小型株が大型株より優勢となり、グロースがバリューより優勢でした。過去1年では大型株、グロースが相対的に優勢でした。
■ セクター
11月は情報技術が最も上昇したほか、米国の長期金利が低下したことをうけて不動産も大きく上昇しました。一方、原油価格の軟調な展開をうけてエネルギーが低調になったほか、生活必需品、ヘルスケアなどの上昇が比較的小幅にとどまりました。
過去1年では、情報技術、コミュニケーション・サービスが大きく上昇しました。一方、金利上昇や金融不安による資金調達や、主に商業用不動産の市況への影響が懸念された不動産のほか公益事業も苦戦しました。
ファクターとは
ファクターとは、株式や債券など資産や個別銘柄のリターンを過去、長期にわたり生み出してきたとされるリターンの源泉です。リターンやリスクの要因を説明する共通の要因(特性)のことです。ここでは、以下の主なファクターを獲得するように作られたMSCIの各指数を用いて分析しています。
均等配分:グローバル株価指数(時価総額基準)の採用銘柄を均等配分で投資した場合のパフォーマンスを示します。小型株の構成比が時価総額基準の指数に比べて高くなる傾向にあります。
モメンタム:過去6ヵ月、12ヵ月など過去において、パフォーマンスのよかった銘柄。(使用している指数では、構成銘柄は通常年2回のペースで見直されます。)
エンハンスト・バリュー:各セクターの中で、利益、資産、キャッシュフローの観点で株価が割安な銘柄。
高配当:相対的に配当利回りの高い銘柄。
クオリティ:利益率、財務体質、業績の安定性の点で優れている銘柄。
低ボラティリティー:ポートフォリオのリスクを最小化することを目的に最適化した銘柄からなるもので、株価のボラティリティー(変動)やベータ等の低い銘柄が多い。
大型株、小型株:時価総額が相対的に大きい銘柄、小さい銘柄。
グロース:業績の成長性の高い銘柄。
バリュー:株価の割安な銘柄。
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