食品業界は、未だ持続可能な操業基盤を築いたとは言えません。

世界の食糧システムは、環境や人間の健康を損なわないものでなければなりません。食糧システムの進化の過程では、3種類の投資の機会が生まれることが期待されます。まず、食料生産が環境に及ぼす強い圧力を勘案すると、食料生産や、農場から家庭の食卓に至る食のシステムの持続可能性の改善に貢献する企業には大きな投資の好機があると考えます。精密農業、動植物健康製品、食品廃棄の解決のためのソリューションなどの分野は高成長を遂げています。

次に、より健康的な食品に対する需要が増していることです。科学技術の進化によって、質の悪い食事や栄養の偏った食事が健康に及ぼす影響に対する認識が高まっています。政策立案者は、砂糖、塩、飽和脂肪等の含有量を減らすため、食品や飲料の成分構成の変更を要求する施策を導入しています。一方、消費者は、免疫力を高める効果のある機能食品や栄養補助食品（サプリメント）に注目し始めています。

最後に、技術の進化によって、食品関連の電子商取引（e-コマース）、個々人の体質に合わせた栄養改善（個別化栄養）、（食品の移動の追跡を可能にする）食品トレーサビリティなど、新しいタイプの投資の機会が生まれています。