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ピクテの新興国株式運用チームの見方|ロシアのウクライナ軍事侵攻について
2022/03/02

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概要

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2022年2月21日、ウクライナ東部でロシアへの編入を求めるウクライナ東部の分離独立派が実効支配する「ドネツク人民共和国」および「ルガンスク人民共和国」を国家として承認する大統領令に署名しました。これによりウクライナ東部地域へのロシア軍の駐留が可能性となり、その後24日には軍事侵攻に踏み切りました。ピクテの新興国株式運用チームでは、それより前からウクライナ情勢の緊迫化を警戒し、運用チームではロシア株式への投資比率を削減していました。



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ピクテの新興国株式投資における「ロシア株式」

ピクテの新興国株式運用チームでは、基本的には企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)の丹念な調査・分析に基づくボトム・アップによる銘柄選別を行っています。こうした観点から、2021年11月末時点では、ロシア株式について、代表的な新興国の株価指数であるMSCI新興国株価指数に対してオーバーウェイトとしていました。

しかし、ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、リスクを抑える投資行動(投資比率を低下させる)が重要であると考えています。

我々は引き続きこの事態に対して、慎重なスタンスで臨む方針です。大手銀行などについては経済制裁の対象となり、影響は決して小さくないと考えます。こうした不透明感が後退しない限り、株式市場は大きく値動きする展開が続くとみています。

投資の観点から今後の焦点となるのは、西側諸国によるロシアに対する経済制裁が、ロシアの金融市場や経済、企業にどう影響するか、注意深くみていく必要があると考えます。

 

今後の見通し

我々は、ロシアの国民の多くも今回の軍事侵攻を支持していないと考えています。2014年のクリミアの併合は、ロシア国内でも支持されましたが、今回のウクライナへの本格的な軍事侵攻は、一般市民の死傷者や経済的困難をもたらす可能性があり、事情が大きく異なるとみています。

また、ロシアは莫大な経済的なコスト負担を負うことになるでしょう。西側諸国による懲罰的な経済制裁は、ロシア経済に大きな打撃を与える可能性があります。確かに、ロシアは外貨準備が多く、対外債務も多くはありません。このため、西側諸国がロシアに効果的な制裁するためには、自国経済も犠牲にせざるを得ません。また、ロシアは、他の多くの国と同様に、インフレ懸念を抱えています。インフレ問題は、どの国の経済にとっても重要ですが、民主的な選挙といった調整弁がない経済では、特に重要です。

こうした状況を勘案すると、今回の事態は今後数ヵ月で収束していくというのが我々の基本的な考えです。もちろん、事態は流動的であり、状況が大きく変化することもあるため、慎重に動向をみていく必要がはありますが、今後、数ヵ月から数年ののちには、再び、純粋に企業のファンダメンタルズに注目した投資が行える日々が戻ることに期待したいと思います。


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