投資に役立つ3つの分散
資産運用に伴うリスクをおさえる方法である3つの分散について、分かりやすく解説します。
3つの分散とは?
ある程度の時間をかけて資産運用をしていくときに重要なのが「分散」という考え方です。
分散投資にはリスクを抑える効果があると言われていますが、資産運用に伴うリスクを抑えることができれば、緩やかに安定して資産づくりを行うことも期待できます。分散投資の重要性はよく耳にしますが、一言で分散といっても色々な種類があります。ここでは資産運用に有効な“3つの分散”についてご紹介します。
1. 資産(アセットクラス)の分散
最も基本的な分散投資の1つが、アセットクラスの分散です。
アセットクラスは、債券や株式、REIT、金などのように値動きやリスク特性が似た資産のグループを指します。そして、このアセットクラスを複数組み合わせる方法が、アセットクラスの分散です。
たとえば、株式だけに投資をしていると、株価が大きく下落した時に大きな損失が発生してしまう可能性があります。株式とは値動きが異なる債券やREIT、金などにも投資をすることで、資産全体としての見たときの損失をおさえる効果が期待できます。
2. 資産(地域)の分散
2つ目の分散投資の基本が、地域の分散です。
分散投資を実践するうえではアセットクラスの分散だけでなく、投資先地域の分散も重要です。特定の地域だけに投資を集中してしまうと、災害や紛争、政治的要因などによりその地域の金融市場が大きく変動した場合に、大きな損失が発生する可能性が高まります。
たとえば、バブル崩壊後に日本の株式市場は大きく下落し20年以上低迷しました。一方、この間も米国や新興国など世界の株式市場は上昇しました。
投資をする際には、アセットクラスの分散に加えて地域も分散することにより、その地域特有のリスクを軽減する効果が期待できます。
3. 時間の分散
3つ目の分散投資の基本であり、投資家自身がコントロールできるのが時間の分散です。
時間の分散とは、一度に全ての資金を投資するのではなく、複数回にタイミングを分けて投資を行うことです。
たとえば、1980年代後半の日本で発生したバブル景気のピークの頃の日経平均株価は3万円を超えていましたが、30年近く経過しても当時の株価を回復できていません。極端な例ですが、もしバブルがピークの頃に資産の全てを投資していた場合、30年近く経っても損失を抱えたままということになります。
価格の動きを先読みすることは難しい前提に立ち、投資タイミングを分散させるのは、高値掴みを回避するためにも重要な方法だと言えます。