きちんと知りたい投資信託の分配金

あまり詳しくは知られていない分配金について分かりやすく説明します。


運用資産の一部を取り崩したのが分配金


投資信託の中には、毎月や3ヵ月ごとなどに訪れる決算日に分配金を受け取れるものがあります。

分配金は、投資信託で運用している資産の一部を現金化して取り崩すことによって支払われます。



分配金と混同されることの多い預貯金の利息は、預けた元本からではなく金融機関の資産から支払われるため、利息が支払われても元本は変わりません。

分配金は、運用資産を取り崩して支払われるので、その金額分だけ基準価額は下がることになります。




投資信託ごとに異なる分配金


分配金を支払う頻度や金額は、投資信託ごとの分配方針に沿って運用会社(委託会社)が決定しています。

分配方針は、投資信託の交付目論見書で確認することができます。




分配金はどのように受け取るの?


投資信託から支払われた分配金は、利益が出ている場合、税金が差し引かれたうえで 口座に振り込まれます。

振り込まれた分配金は現金として残るので、株式市場などの影響は受けなくなります。


分配金を受け取る場合


分配金を再投資するコースを選んでいる場合は、口座には振り込まれず、利益が出ている場合は税金が差し引かれた分配金が自動的に同じ投資信託に再投資されます。

分配金は、再投資をすることで運用効率を上げる効果が期待できます。


分配金を再投資する場合



分配金が基準価額へ与える影響は?


株価や為替などの影響で基準価額が動く市場要因等だけではなく、分配金も基準価額が動く要因となります。

市場要因等は、その日の市場環境によりプラス・マイナスのいずれかの影響がある一方、運用資産の一部を取り崩す分配金は支払われた分だけ基準価額が下がることになります。


決算日に基準価額がプラスになる例

株市場要因等が+150円となる中、分配金が50円支払われた場合、基準価額は前日比+100円になります。


※上記はあくまでもイメージです。手数料・税金等は考慮していません。

決算日に基準価額がマイナスになる例

市場要因等が-50円となる中、分配金が50円支払われた場合、基準価額は前日比-100円になります。


※上記はあくまでもイメージです。手数料・税金等は考慮していません。


投資成果はどうやってはかるの?


分配金を受け取っている場合、投資信託の投資成果(トータル・リターン)は、基準価額 と分配金をあわせて考える必要があります。

分配金も基準価額も、投資をすることで得たものなので、基準価額の動きだけでなく、分配金も加味することで投資信託からの投資成果をはかることができます。



分配金を支払った後の基準価額がマイナスでも、受け取った分 配金を含めると、トータル・リターンはプラスになっているということもあります。

※上記はあくまでもイメージです。手数料・税金等は考慮していません。