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- 分散投資の効果(5)「向き」だけでなく「大きさ」も重要
●値動きの相関の低いもの同士を組み合わせることで、より高い分散効果を期待できることをご説明しました。実際に組み合わせを考える時には、相関係数で確認できる値動きの「向き」だけでなく、標準偏差で確認できる値動きの「大きさ」も併せて考えることが大切です。
値動きの「向き」だけでなく値動きの「大きさ」も重要です
資産の組み合わせの例として、⽇本国債と⽇本株式を考えて⾒ましょう。両者の相関係数は-0.36と非常に低く、両者が逆方向に動く傾向があることを⽰しています。この2つを組み合わせた場合、分散効果が期待できます。しかし、⽇本国債と⽇本株式では値動きの⼤きさが全く異なります。⽇本国債の標準偏差(注1)は2.2%、⽇本株式の標準偏差は17.8%と、⼤きな差があります。
仮に⽇本国債と⽇本株式に半分ずつ投資していた場合、⽇本株式が30%下落したらどうなるでしょうか。⽇本国債は反対方向に動き、プラスのリターンを提供してくれることが期待できますが、⽇本株式の30%の下落を埋められるほど⼤きなリターンは期待できません。
⼀方、もし⽇本国債と⽇本株式に半分ずつではなく、両者のリスクの⼤きさを考慮に⼊れて、⽇本国債に9割、⽇本株式に1割という割合で分散投資していたならば、リスクを⼤きく抑えることができていました。
このように、分散投資を考えるうえでは、相関係数で確認できる値動きの「向き」だけでなく、標準偏差で確認できる値動きの「⼤きさ」も併せて考えることが重要です。
⽇本株式:MSCI⽇本株価指数、⽇本国債:FTSE⽇本国債指数、相関:⽉次リターンの相関
出所:ブルームバーグのデータを使⽤し、ピクテ投信投資顧問作成
注1:「標準偏差」はバラつきの⼤きさを表す数字で、リスクの⼤きさを数値化するものです。「極端なケースを除き、だいたいこのくらいの範囲の中に収まる」という範囲を教えてくれます。
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