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実践的基礎知識 環境変化確認編(1)<運用の必要性の高まり>
2021/02/05

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概要

日本の世帯所得水準は1990年代半ば以降低下し、2010年代には1980年代の水準を下回ってしまいましたが、一方で住民税・所得税・社会保険料といった非消費支出は増加してきました。この間、日本の物価全体で見ると、1987年の水準を100とすると115まで上がりました。ものの値段が上がれば、お金の実質的な価値は減ってしまいます。実質的な価値を減らさないようにするためには、ものの値段が上がる以上にお金を増やす必要があります。このように資産運用の必要性、投資の必要性というのはますます高まってきていると言えます。




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日本の世帯所得水準の移り変わり

まず、日本の世帯所得水準の移り変わりを見てみましょう(図 表1) 。灰色の線の世帯所得の中央値を見ると、1993年に 550万円のピークをつけた後、1990年代半ば以降低下し、 2010年代には1980年代の水準を下回ってしまいました。 一方で青の線で示した住民税・所得税・社会保険料といっ た非消費支出は増加してきました。所得が減少し非消費支 出が増加したため、所得から非消費支出を差し引いた可処 分所得、いわゆる手取り収入は更に大きく減少してきました。

図表1:世帯所得と非消費支出(住民税・勤労所得税・社会 保険料)の推移(期間:1987年~2015年)

1987年と2015年の比較

続いて、1987年と2015年を比較してみましょう(図表2)。世帯 所得は435万円から428万円に減少し、非消費支出は88万 円から118万円に増加、この間、日本の消費者物価指数全 体は15%の伸びとなりました。日本の物価全体で見ると、 1987年の水準を100とすると115まで上がったということです。 非消費支出は34%増加しています。 一方で、たとえば私立大学の授業料は52万円から87万円に 67%上昇、円換算したハーバード大学の学費は196万円か ら705万円へと約3.6倍になりました。1987年当時800万円あ れば、ハーバード大学の学費4年分に相当しましたが、今は 800万円では1年分しか払えません。

図表2:世帯所得と非消費支出等の1987年と2015年の 比較

※ 図表1・2:CPI以外は年額、出所:総務省、厚生労働省、文部 科学省、ハーバード大学のデータを使用しピクテ投信投資顧問 作成

運用の必要性の高まり

ものの値段が上がれば、お金の実質的な価値は減ってし まいます。実質的な価値を減らさないようにするためには、 ものの値段が上がる以上にお金を増やす必要があります。 今後の社会保険料や税金などの非消費支出の増加や手 取り収入の減少に備えるためにも、せっかく稼いだお金、 ためたお金の価値を維持するためにも、資産運用の必要 性、投資の必要性というのはますます高まってきていると 言えます。



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