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実践的基礎知識 決算書の読み方編(7)< 収益性分析>
2022/01/07

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概要

株主にとって、投資したお金がどれぐらいの利益をあげているかは非常に重要です。今回は収益性を分析するための指標であるROEとROA、ROEを用いた分析方法であるROEデュポン分析について解説します。




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ROEとROA

自己資本利益率(ROE)はReturn On Equityの略です。当期純利益÷自己資本で計算されます。この数字は自己資本=株主のお金を使って、どれだけ効率的に利益をあげているかを示しています。

ROEは高ければ高いほど経営の効率が良いことを示します。ただし他人資本を多く使って財務レバレッジを大きくかけ、大きなリスクをとっているほど高くなる点に注意が必要です。なお、自己資本は期初と期末で変動するので実際の計算式はROE=当期純利益÷【(前期末自己資本+今期末自己資本)÷2】で計算されます。

総資産利益率(ROA)はReturn On Assetの略です。ROEは分母が自己資本でしたが、ROAは分母が総資産(自己資本+他人資本)となっています。つまり、借金等の負債(将来、返済・支払の必要がある他人のお金)も含めて会社が調達した全てのお金で、どれだけ利益をあげられたかを示すものです。ROAもROEと同じく、高い方が望ましい指標となります。

図表1: ROEとROAの算式

ROEデュポン分析

ROEは非常に良く出来た指標で、その数値自体で経営効率を表すことができるだけでなく、更に企業の収益性、効率性、安全性の3要素に分解して分析することが出来ます。これをROEデュポン分析といい、アメリカの大手化学企業デュポン社で開発されたことからこの名前がついています。売上高と総資産を使ってROEを3つの指標に分解すると、図表2の式で表すことができます。これら分解された3つの指標である「売上高当期純利益率」は収益性を、「総資産回転率」は効率性を、「財務レバレッジ」は安全性を、それぞれ分析出来ます(図表3~5)。



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