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実践的基礎知識 決算書の読み方編(9)< 投資可否分析①>
2022/02/04

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概要

財務諸表を分析することで、その会社が資産運用をしているのか、運用提案の余地があるのかについて、ある程度把握することができます。今回は、財務諸表分析に基づく運用提案の全体像について解説します。




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財務諸表分析に基づく運用提案の考え方 

最適な資産運用を提案するためには、まず「財務諸表分析」と「商品/ポートフォリオ分析」によって、お客さまの資産の全体像を把握します(図表1)。

財務諸表分析では、まず貸借対照表を分析して、運用した場合の最大許容損失額がどれくらいであるかを把握します。次に期間利益を確保する観点から、損益計算書や資金繰り計画等についても分析・検討し、実際に許容できる損失額がどれくらいと見込まれるかを把握します。

あわせて、提案する商品やポートフォリオのリスク・リターン特性を分析して、運用した場合に想定される最大損失率を把握します。

こうして、財務諸表分析で把握した「実際に許容できる損失額」と、商品/ポートフォリオ分析で把握した「想定最大損失率」をあわせて考える必要があります。

図表1:運用提案の全体像

投資可否分析の手順① 資産を区別する 

貸借対照表の資産の部にはその企業が保有する資産の内訳が記載されていますが、どの資産が事業目的で、どの資産が投資目的なのかの記載はありません。

従いまして、貸借対照表を分析する際には、まず各資産の保有目的、使用状況、内容等を確認して、それぞれの資産を「運用対象資産」か否かを区別します(図表2)。

図表2:貸借対照表上の各資産を区別する

投資可否分析の手順② 「運用対象資産」を把握する

運用対象資産か否かを区別したら、次に貸借対照表上バラバラになっている「運用対象資産」と「事業目的資産」をそれぞれ集約して、「運用対象資産」がどれくらいあるかを把握します(図表3)。

図表3:資産運用の対象資産を集約・把握する

運用対象資産を集約して考えることで、運用対象資産が毀損した場合に資金ショートを起こさないためには最大どれくらいの損失まで許容できるかということや、期間利益の確保を考えた場合、実際にはどれくらいの損失まで許容できるか、といったことを検討しやすくなります。



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