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- 2023年年初来の運用状況と今後の見通し
●世界経済の先行き不透明感が残る一方、年初来の株式市場は上昇。こうした市場環境下、当ファンドのパフォーマンスも2022年の下落から、2023年年初来では上昇に転じる
●運用では引き続き、高い競争優位性を持つと考えられるグローバル優良企業の株式を選別した上で投資を行っていく方針
世界経済の先行き不透明感が残る一方、年初来の株式市場は上昇
世界経済の先行き不透明感は、依然として払拭されていません。特に先進国においては、依然として根強いインフレ傾向がみられます。一方で、新興国経済については、比較的明るい見通しが持てるとみられます。中国から発表された2023年1-3月期の経済成長率は、民間需要に大きくけん引され、予想を上回る伸びとなりました。一方、欧米などでは中央銀行によるこれまでの積極的な利上げにより、銀行の貸し出し態度が厳格化していることが実体経済に影を落とし始めています。さらに利上げが継続されれば、状況はより深刻になると懸念されます。
一方、2023年年初来の世界の株式市場は、上昇・下落を繰り返しながらも、米国をはじめとした主要中央銀行の利下げ転換やその後の景気回復期待などが視野に入り始めたことなどもあり、持ち直しつつあります。
こうした市場環境下、2023年年初来の当ファンドのマザーファンドの基準価額も、2022年(年間)の下落から上昇に転じています。特に、アクティビスト(物言う株主)による圧力が、業績改善を促し、株主価値を向上させるとの期待が高まった顧客情報管理(CRM)ソフトウエアの米国大手企業のほか、AI(人工知能)関連への注目の高まりが追い風となった情報技術やコミュニケーション・サービスセクターの銘柄などの株価が大きく上昇したことなどが、プラス寄与となりました。
また、2023年年初来の当ファンドのマザーファンドの基準価額は、先進国株式(MSCI世界株価指数、配当込み、円換算ベース)をやや上回る上昇率となりました(2023年4月末時点)。
今後の見通しと運用方針
前述の通り、世界経済の先行き不透明感は依然として払拭されていません。また、企業利益については、2023年1-3月期の決算発表に先立って市場コンセンサス予想は大きく下方修正されていました。このため、実際の決算発表では、厳しい事業環境であるにもかかわらず大手ハイテク関連などの企業は、市場コンセンサス予想を上回る決算内容を示しました。今後についても市場コンセンサスでは増益が予想されていますが、これは世界経済の減速がなければということが前提となります。
一方、我々は、2023年における先進国企業の利益は前年比ほぼ横ばいと予想しています。また、来年度以降の市場コンセンサス予想は依然として楽観的であるとみられ、下方修正のリスクが残ると考えています。
こうした不透明な環境下では、当ファンドが注目する持続的な成長性や潤沢なキャッシュフローが期待できる、質の高い企業の株式が投資家から特に選好される可能性が高いと考えます。さらに、先進国と比較して新興国のファンダメンタルズ(基礎的条件)が相対的に良好になることが想定されるため、新興国で事業を展開する有望企業にも注目しています。
引き続き、徹底的な企業調査によって「資金力」、「開発力」、「価格競争力」、「ブランド力」、「マーケティング力」の点で高い競争優位性を持つと考えられるグローバル優良企業の株式を選別し、バリュエーション(投資価値評価)分析等も十分考慮した上で、投資を行っていく方針です。
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