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新興国株式市場のアップデート(2023年4月) 
2023/05/10

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概要

足元の新興国株式市場について、押さえておきたいポイントをさまざまな観点からアップデートしていきます。



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■   全体

新興国株式市場は、同市場の中で時価総額が最も大きい中国を中心に、昨年10月の中国共産党大会での政策リスクや米国などの利上げを懸念して下落した後、昨年の10月下旬以降、中国のゼロコロナ政策の緩和や不動産市場対策などを好感して上昇しました。今年2月には米国で予想を上回る強い経済指標が発表されたことを背景に米長期金利上昇や米ドル高が進行したことなどから下落基調となりました。3月に入ってからも金融不安の中、軟調な展開となりましたが、米長期金利が低下に転じたことなどで米国の成長株が買われ、新興国株式市場も反発しています。

足元では米国の成長株の上昇を背景に先進国株式が堅調な展開となっており、新興国株式は先進国株式との比較では苦戦しています。



■   グロース/バリュー

昨年10月以降はグロース(相対的に成長性の高い)銘柄も見直される局面もありましたが、昨年来のバリュー(相対的にバリュエーションの低い)銘柄の優位が継続しています。



■   主要国の動き

中国は昨年10月以降のゼロコロナ政策の緩和や不動産市場対策などを好感した上昇が一巡した後は、今後の経済成長への懸念もあり2月以降、調整局面となっています。

ブラジルは昨年10月の大統領選を経て、財政政策への不安感などから軟調な展開が続いていましたが、3月には米ドル高一服からレアルが堅調となり株価も反発に転じています。

インドでは新興財閥のアダニ・グループの不正会計疑惑による海外資金の流出懸念などが株式市場の上値を抑える要因となっています。



■   セクター(業種)の動き

全業種が揃って下落しましたが、エネルギーは足元でOPECプラスの原油の追加減産発表で上昇に転じている銘柄もありました。また、生活必需品ではインド、メキシコの食品や食品小売りなどが上昇し、相対的に小幅な下落にとどまりました。一方、不動産は中国の銘柄が苦戦し、情報技術は半導体市況の低迷から台湾や韓国などの関連銘柄などが軟調となりました。



■   商品市況の動き

新興国の中には、資源国も多く商品市況には注意が必要です。新興国株式市場に加えて原油及び銅の過去10年の価格の推移について大きな流れを見ておきます。

2020年のコロナショックによる下落を経て、原油や銅の価格は上昇基調となりましたが、2022年に入り、米国の政策金利が引き上げられる中で景気減速懸念から下落しました。その後、銅は昨年後半に反転上昇となりましたが、原油は軟調な展開が継続しています。


 


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