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大きく変化する「教育」へのニーズ
2022/06/27

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概要

教育関連市場では今、革命ともいえる大きな変化が起こっています。新型コロナウイルスの世界的流行によりこの流れは加速しましたが、なによりも技術革新やライフスタイルの変化が原動力となっています。こうした流れは、教育関連企業に大きなビジネスチャンスをもたらすと考えられます。



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大きく変化する「教育」へのニーズ

新型コロナウイルスの世界的流行は、教育関連市場における変化を加速させました。コロナ禍を乗り越えつつある多くの産業分野では、「正常化への回帰」がコロナ前のビジネスのあり方や進め方に戻ることを意味していると考えられます。しかし、教育関連分野においては、コロナ禍を経て人々の学びの内容や学び方が大きく変化しました。この変化はコロナ後のこれからも、変わることがないと考えられます。新型コロナウイルスの世界的流行が変化を加速させたのは確かですが、実際には、こうした流れはコロナ前から進んでいたためです。

遠隔学習、ビデオ収録講義、オンラインスクール、非従来型の(革新的な)教科、(成人向けの)生涯教育などはコロナ前から提供されていましたが、以前は一部で限定的に利用されていたに過ぎませんでした。それがコロナ禍を経て、主流になりつつあります。

また、終身雇用制度のあり方が変化したことも、教育関連市場を大きく変化させる力になっていると考えられます。より多くの人々が、これまでとは全く新しい分野の仕事に挑戦するようになっています。また、職業人生の中で何度も転職することも珍しくありません。このため、成人向けのスキルアップにつながる教育などがますます注目されると考えられます。

成人向けのスキルアップ関連分野は、教育関連分野の中でも比較的規制リスクが低く、国が定めた教育課程(カリキュラム)に縛られる学校教育の場合とは対照的です。

 

学びに意欲的な女性の増加

学びたいという意欲のある女性の数が増えていることも、教育関連市場の変化につながっていると考えられます。

2008年以降の大学の学位取得者では、女性が男性を上回っています。さらに、これまでよりも多くの専門分野で女性の比率が男性の比率を上回り始めています。こうした流れを背景に、女性の学習に関する特性を考慮した教育プログラムの提供などは、今後さらに求められるようになるとみられます。

オンラインでの学びの潮流 ~課題と可能性~

オンライン学習は、学びたい分野によっては不向きなこともあります。例えば、(ホテルやレストラン等の)ホスピタリティ業界におけるスキルを身につけるためには、オンライン学習ではできることが限られます。これに対し、テクノロジー業界で必要とされるスキルを身につけるためには、オンライン学習でほぼ可能であり、対面による学習と変わらない効果をあげています。ただし、人によっては、教室で仲間とともに学ぶことにより人と人とのつながりを求めている場合もあります。

企業や大学は、学ぶ人に柔軟性を提供できるように投資を行う必要があると考えます。オンライン授業と対面授業の割合は大学の課程ごとに異なります。実験室での授業や人との対話や作業が必要な教科とそうではない教科があるからです。(オンライン授業と対面授業を合わせた)「ハイブリッド授業」は実施が難しく、ハード(教室などの施設)とソフト(教育コンテンツ)をうまく管理していく必要があります。

また、オンライン授業やオンライン学習はゲームの影響を受けつつあり、注目される動きです。ゲームの手法を応用した研修に投資を企業が増えています。ゲームの手法は若者向けとは限らず、軍隊では、昔から戦略の構築に応用されています。また、専門職を対象とした伝統的な形態の教育でも大きな効果をあげる可能性があると考えられています。

例えば、希少病治療のための複雑な胃の手術の場合、外科医は相当な訓練が必要になりますが、実際の患者の生命を危険にさらして訓練するわけにはいきません。そこで、手術に必要なスキルを習得するための三次元モデルと(シミュレーション)ゲームが開発されています。

ホスピタリティ業界では、仮想現実ゲームが気難しい顧客にどう対処するかの訓練に使われています。

企業や人々の「教育」に対するニーズは大きく変化しています。この変化は、教育関連企業にとって大きなビジネスチャンスになるとみられます。

 


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