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- グローバル株式市場の振り返り(2月) ― ファクターとセクターの観点から ―
2月のグローバル株式市場をファクターとセクターの観点から振り返ります。
■ ファクター
クオリティが相対的にしっかり、一方、低ボラティリティー、均等配分が苦戦しました。ただし、ファクター間で大きな差はありませんでした。
過去1年では低ボラティリティー、高配当、エンハンスト・バリューなど下値耐性が比較的強いと言われているファクターの下落が小さく、モメンタム、クオリティが苦戦しました。大手のテック銘柄の苦戦がクオリティの重荷となりました。
小型株が大型株に対して優勢で、グロースがバリューに対して優勢でした。過去1年では小型、バリューが相対的に優勢でした。
■ セクター
情報技術、資本財・サービス、金融の下落が小さく、素材、不動産、公益事業などが苦戦しました。
株式市場全体は堅調な経済指標の発表、金利上昇を受けて下落しましたが、どちらかと言うとシクリカル(景気敏感)な銘柄がディフェンシブ(景気の影響を受けにくい)銘柄より相対的には堅調で、「ノーランディング(利上げが続く中でも堅調な景気が続く)」を織り込む展開だったとみています。米国の天候要因(暖冬)やコロナ禍で大きく振れた季節調整で2月に発表された経済指標が実態より強く出ている可能性もあります。今後、弱い経済指標が発表されても、金利見通しが改善する効果のほうが、景気悪化のネガティブな影響より大きいと考えて、シクリカルなポートフォリオを維持するという投資家が多いのかもしれませんが、業績悪化リスクには注意が必要です。
過去1年では、依然としてエネルギーの上昇が大きく、一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、不動産などが苦戦しました。
ファクターとは
ファクターとは、株式や債券など資産や個別銘柄のリターンを過去、長期にわたり生み出してきたとされるリターンの源泉です。リターンやリスクの要因を説明する共通の要因(特性)のことです。ここでは、以下の主なファクターを獲得するように作られた各指数を用いて分析しています。
均等配分:グローバル株価指数(時価総額基準)の採用銘柄を均等配分で投資した場合のフォーマンス
を示す。小型株の構成比が時価総額基準の指数に比べて高くなる傾向にある。
モメンタム:過去6ヵ月、12ヵ月など過去において、パフォーマンスのよかった銘柄
エンハンスト・バリュー:各セクターの中で、利益、資産、キャッシュフローの観点で株価が割安な銘柄
高配当:相対的に配当利回りの高い銘柄
クオリティ:利益率、財務体質、業績の安定性の点で優れている銘柄
低ボラティリティー:株価のボラティリティー(変動)や下落幅が小さかった銘柄
大型株、小型株:時価総額が相対的に大きい銘柄、小さい銘柄
グロース:業績の成長性の高い銘柄
バリュー:株価の割安な銘柄
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