Article Title
新興国株式市場のアップデート (2023年3月) 
2023/03/30

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

足元の新興国株式市場について、押さえておきたいポイントをさまざまな観点からアップデートしていきます。



Article Body Text

■   全体

新興国株式市場は、同市場の中で時価総額が最も大きい中国を中心に、昨年10月の中国共産党大会での政策リスクや米国などの利上げを懸念して下落した後、中国のゼロコロナ政策の緩和や不動産市場対策などを好感して上昇しました。今年2月には米国で予想を上回る強い経済指標が発表されたことを背景に、米長期金利上昇や米ドル高が進行したことなどから下落基調となり、3月に入ってからも金融不安の中、軟調な展開が続いています。

先進国株式との比較でも、同様に2月以降は再び苦戦しています。

■   グロース/バリュー

昨年来、バリュー(相対的にバリュエーションの低い)銘柄が優位でしたが、10月以降はグロース(相対的に成長性の高い)銘柄も見直される局面もありました。

■   主要国の動き

中国は10月以降のゼロコロナ政策の緩和や不動産市場対策などを好感した上昇が一巡した後は、調整局面となっています。

ブラジルは10月の大統領選を経て、財政政策への不安感などから軟調な展開が続いています。また原油価格が軟調なことも上値を抑える要因と見ています。

インドでは新興財閥のアダニ・グループの不正会計疑惑などが株式市場の下落要因となっています。

■   セクター(業種)の動き

資本財は韓国、トルコなどの銘柄を中心に堅調で、生活必需品はインド、インドネシアなどの食品関連銘柄などが上昇し、相対的に小幅な下落にとどまりました。一方、不動産は中国の銘柄が大きく苦戦し、エネルギーはブラジル、サウジ・アラビアなどの銘柄が原油価格が軟調な中で調整しました。

■   商品市況の動き

新興国の中には、資源国も多く商品市況の動きには注意が必要です。新興国株式市場に加えて原油及び銅の価格の過去10年の価格の推移について大きな流れを見ておきます。

2020年のコロナショックによる下落を経て、原油や銅の価格は上昇基調となりました。その後、2022年に入り、米国の政策金利が引き上げられる中で景気減速懸念から下落しました。銅は昨年後半に反転上昇となりましたが、原油は軟調な展開が継続しています。

個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。


●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

手数料およびリスクについてはこちら


MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。



関連記事


2024年7月の新興国株式市場

持続可能で再生可能な未来に貢献する建物

中央銀行はなぜ金を保有するのか?

2024年6月の新興国株式市場

新興国市場:メキシコ初の女性大統領~選挙戦の後の株価調整は中長期的な投資機会とみる

イベント・ドリブン戦略に好機を提供するアジアの肥沃な土壌