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不透明感が残る市場環境下、「強力に利益を生み出せる力」が注目される可能性も
2021/02/25

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概要

プレミアム・ブランド企業は「高価格・高収益」を実現するビジネス・モデルをもっていると考えられます。世界の景気の先行きに対する楽観的な見方が強まる中でも、依然として不透明要素も残されています。こうしたマクロ経済・株式市場環境のもとでは、プレミアム・ブランド企業のように強力に利益を生み出せる力がある銘柄が注目される可能性もあると考えられます。



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プレミアム・ブランド企業は「高価格・高収益」を実現するビジネス・モデル

プレミアム・ブランド企業とは、流行を創造するデザインや最高品質などに基づくブランド力により、消費者に幸福感、優越感などの感情をもたらすことができる商品・サービス(プレミアム・ブランド商品・サービス)を提供している企業を指します。

プレミアム・ブランドは、選ばれた企業のみが有するブランド力であり、その商品・サービスは高価格でも消費者に受け入れられています。

また、プレミアム・ブランドは、一朝一夕に確立できるものではありません。これが一般の企業にとっては高い参入障壁となるため、プレミアム・ブランド企業は価格競争に巻き込まれにくいと考えられます。

高い価格を維持することが可能であり、さらに長い歴史を持ち困難な時代も生き抜いてきた経験などから優れたコスト・コントロール力を発揮する企業も多く、一般にプレミアム・ブランド企業は「高価格・高収益」のビジネス・モデルを有しているといえるでしょう。

高価格・高収益を体現するフェラーリの例

フェラーリ(イタリア)は高級スポーツカーに特化したプレミアム・ブランド企業であり、高価格・高収益のビジネス・モデルの代表格ともいえる企業です。フェラーリの1台あたりの平均販売単価はおよそ3,500万円(2019年度売上高と販売台数から算出)と超高額です。そして、利益率をみると業界大手企業の平均を大きく上回る高収益性を示しています。

フェラーリが自動車を1台(約3,500万円)販売して得られる利益は、過去5年間の平均利益率(ここではEBITDA(税引き前利払い前償却前)利益率)約29.8%から計算すると、約1,050万円となります。業界大手企業がこれと同じ程度の利益を稼ぎだすためには、約35台販売しなくてはなりません。このことは、フェラーリがいかに効率よく利益を生み出せるか(=高い収益性)を示しています。

先行き不透明感も残る中、「強力に利益を生み出す力」が注目される可能性も

プレミアム・ブランド企業が提供する商品やサービスは、“消費関連”分野であることにはかわりなく、たとえ富裕層の固定客や熱烈なファンが景気が悪くとも継続的に購入してくれることはあっても、完全に世界の景気動向や消費者心理と無関係ではいられません。

前述のフェラーリもまた、2020年前半のコロナ・ショックにおいては、他の主要自動車メーカーと同様に、売上高は大きく落ち込みました。しかし、2020年4-6月期を底に年後半は回復に向かい、コロナ・ショック前の水準を超えるしっかりとした売上高の回復をみせ、高い収益性も維持しています。 

世界の株式市場を取り巻く環境に目を向けると、中国をはじめ主要国が景気回復基調にある上に、各国の財政・金融政策などの下支え、さらには新型コロナ・ウイルスのワクチン接種の拡大などで、世界経済の先行きに対する期待が高ま っていますが、今後の政策動向や、ワクチン接種の状況・感染状況など不透明要素も残されています。

このように不透明要素も残る市場環境下では、プレミアム・ブランド企業のように高価格・高収益のビジネス・モデルを有し、「強力に利益を生み出す力」があるとの確信できる企業が注目される可能性もあると考えられます。

個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。


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