Article Title
リスク・リターン(6)リスクを数値化する「標準偏差」①
2020/03/11

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

●標準偏差は「バラつきの⼤きさ」を表す数字で、リスクの⼤きさを数値化するものです。「極端なケースを除き、だいたいこのくらいの範囲の中に収まる」という範囲を教えてくれます。
●「偏差」は各数値が平均値からどのくらい離れているかを表すもので、各数値と平均値との差をとったシンプルな数字です。




Article Body Text

各資産の値動き、収益率と偏差

表1は資産A、B、Cの値動きを表したものです。以下、表2の通り平均リターンを計算した資産A、B、Cで考えて⾒ます。

表2の収益率の「平均」の下に「最⼤」と「最⼩」を載せました。これは、それぞれの収益率の中の最⼤値と最⼩値を表⽰したもので、各資産のこの期間中の収益率のすべての値は、この「最⼤」と「最⼩」の間に収まります。この概念がこの後の理解に重要になります。

資産Aの収益率は最⼤で2%、最⼩で-2.9%ですから、Aの収益率の全データはこの最⼤2%から最⼩-2.9%の範囲に収まります。資産Bは最⼤値が35%、最⼩値が-28%と、良い時と悪い時の差が⼤きくなっていますが、それでも全てのデータはこの間に収まります。Cは最⼤29%から最⼩-11%の間に全データが収まります。

ここで、各資産の収益率の「平均」がどの程度信頼できるかについて考えてみます。BとCの平均は⼤差なく、Bが6.8%、Cが6.3%となっていますが、Bの⽅が平均から⼤きく離れた数値が出る可能性が⾼いように⾒えます。このことを調べるには、「偏差」をとってみるとよく分かります。

表3は資産A、B、Cの偏差の計算結果を表⽰しています。「偏差」は各数値が平均値からどのくらい離れているかを表すもので、各数値と平均値との差をとったシンプルな数字です。この「偏差」を⾒てみると、平均から±10%以内の偏差はBには1つしかなく、Cには2つあります。この「偏差」を⽐べるだけでもBとCの違いが分かりますが、この偏差に⼀⼿間加えると、もっと便利な数字になります。それが「標準偏差」です。



●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

手数料およびリスクについてはこちら



関連記事



ESG投資や新興国投資について学びたい方へ

コラム

もっと詳しく学びたい方へ

図解で学ぶ投資のトピック

投資の基礎を学びたい方へ

投資を始める前に知っておきたいこと