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金価格の年初来の動きと長期的な支援材料
2020/06/19

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概要

年初来、金価格は上昇しています。新型コロナウイルスの感染拡大にともなう世界経済減速への対応として各国の政府・中央銀行が積極的な財政政策や金融政策を実施していますが、長期的にみるとこれらの政策が通貨価値の金に対する相対的な下落やインフレリスクを高め、金への投資を促す動機づけとなる可能性があると考えます。



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年初来で金価格は上昇

年初来で金価格は上昇しています。

新型コロナウイルス(Covid-19)の世界的な感染拡大とそれに伴う世界経済の減速懸念を背景に世界の株式市場は2月下旬から3月中旬にかけて急落しました。同期間の金価格は、3月初めまではリスク回避の動きの中で上昇したものの、3月中旬にかけて大きく下落しました。 

金は本来、株価急落時に資金の逃避先として買われる傾向がありますが、世界的な株価急落の中で、投資家が手元資金を確保するための換金売りが金価格の下落に影響したとみられます。

その後、3月下旬以降は、主要中央銀行による債券や株式の資産購入などの積極的な金融緩和策や、各国政府による財政支出、経済活動再開の動きを受けて世界の株式市場が上昇しました。6月に入り、Covid-19の感染拡大第2波やそれに伴う景気回復の遅れに対する懸念が広がり、再び株価が急落する場面がありましたが、経済活動再開への根強い期待やワクチンへの期待、各国中央銀行による金融緩和の継続などがプラス要因となり、上昇基調となりました。

同じ期間、金価格は、株式市場が上昇するなどリスク回避姿勢が後退する中でも、堅調な推移となりました。世界経済の先行き不透明感の高まりや各国中央銀行による金融緩和の継続、米中関係悪化などが上昇要因となり、堅調な推移となりました。

長期的には通貨価値の相対的な下落やインフレ発生の可能性が金投資を促す可能性

金価格は、世界株式同様に、 Covid-19の感染拡大の動向や経済活動の状況などに影響を受け、大きく変動させる可能性があり注視する必要があると考えます。

しかしながら、世界的に金融緩和が進み、主要国の国債利回りは軒並み低下しているほか、当面、低水準が続くとみられることは、金利収入を生まない金の相対的な魅力を高めていくものとみられます。加えて、各国中央銀行による積極的な金融緩和策や各国政府による大規模な財政支出などが通貨価値を押し下げる一方、金の相対価値の上昇に繋がる可能性が考えられます。

また、こうした各国の対応は将来的にインフレを引き起こす可能性もあります。金はインフレに強い性質を有することから、長期的な観点からインフレリスクが意識されることは、金への投資を促す動機づけとなると考えられます。

なお、地上に存在する全ての金には限りがあり、「価値の貯蔵手段」として中長期的に選好されるという構図に変わりはなく、長期的に保有することが重要と考えます。

※ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)は、2016年7月29日に投資信託約款(以下「約款」といいます)を変更し、運用方針を従前の「①実質的に金に投資し、また②世界主要国の公社債には為替ヘッジをして投資し、利金等収益の確保を目指し、③毎月決算を行うもの」から、『①実質的に金に投資し、②原則として為替ヘッジを行い、③年1回決算を行うもの』に変更しました。



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