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- 環境変化確認② 〜債券利回りとクーポンクッションの低下〜
- 1980年代以降、債券利回りは⼤きく低下してきました。債券投資では、利回りが高い状態から投資をスタートすれば、⼤きなインカムゲインを得ることができます。さらに、利回りが低下すれば債券価格上昇によるキャピタルゲインも期待することができます。
- 一方で、債券利回りが低い状態から投資すれば、インカムゲインが⼩さいばかりか、利回りが上昇することで債券価格が下落してしまう懸念が⼤きくなります。
- 「株式に債券を組み合わせることでリスクを抑える」というこれまでのバランス運用の基本形が、債券利回りが極端な低水準に低下したことで、⼤きく崩れてしまった可能性があります。
主要国国債の利回りの推移
図表1は1984年〜2017年の⽶・⽇・豪・独の国債利回りの推移です。過去30年間の⻑期的な傾向として、地域を問わず利回りが低下してきているのが確認いただけます。特に、⽇本やドイツでは国債の利回りが0%以下になるいわゆるマイナス⾦利状態にもなりました。また、網掛けで⽇銀が目標としている物価上昇目標の2%以下のところに色をつけてあります。このエリアに債券利回りがある場合、その債券に投資をするだけでは、物価上昇に勝てなくなる可能性があります。
債券価格下落の可能性
図表2は1984年〜2017年の⽶・⽇・豪・独の国債のクーポンクッションの推移です。過去30年以上にわたって世界の主要国債券の利回りが⼤きく低下してきたことで、クーポンクッションが小さくなり、今後の債券利回り上昇による債券価格下落が懸念されるようになりました。クーポンクッションとは「1年あたりの期待リターン」を帳消しにしてしまう位の債券価格下落を招く「利回りの上昇幅」を表しています。クーポンクッションが1%の債券は利回りが1%上昇すると期待リターンは0になります。クーポンクッションは債券の最終利回りを修正デュレーションで割ることで計算されます。
債券神話の崩壊
これまで債券はインカムゲインを得るためやバランス運用の中で「株式に債券を組み合わせることでリスクを抑える」といった様々な形で投資されてきました。しかしながら、債券利回りが極端な低水準に低下したことで、そういった債券神話は⼤きく崩れてしまった可能性があります。
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