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- 新NISA編①~NISAについて理解を深める~
英国発祥のISAの日本版として2014年にスタートしたNISAは2024年1月から新NISAとして、制度内容が大きく変更になります。
■ NISA導入の背景と新NISA
今回は現行のNISAと2024年1月よりスタートする新NISAについて説明いたします。NISAとは少額投資非課税制度の愛称で、この制度は英国で1999年に導入されたISA(Individual Savings Account)をモデルにした日本版ISAとして2014年1月にスタートしました。日本(Nippon)のNがISAについてNISAと呼ばれます。制度名の通り、投資家が上場株式、ETF、REIT、株式投資信託等の金融商品から得られる配当や売買益が非課税となる措置のことで、現在は成年が対象の「一般NISA」と「つみたてNISA」、未成年が対象の「ジュニアNISA」が存在し、それぞれ年間最大投資額や非課税投資期間が異なります。導入にあたっては、2003年度税制改正で導入された上場株式等の配当と譲渡益の税率を10%とする時限措置(当初2008年まで、その後2013年末まで複数回にわたって延長)が終了し、20%に引き上がる際の激変緩和措置として議論が始まり、最終的に資産形成の支援・促進ツールとして、また家計からの成長マネーの供給拡大を図る目的で制度開始が決定されたという背景があります。
図表1は2023年3月末時点でのNISAの利用状況を示しています。「貯蓄から投資へ」というスローガンの狙い通り、幅広い年齢層で投資への意識は着実に浸透していることがわかります。
図表1:NISAの利用状況
※2023年3月末時点
出所:NISA・ジュニアNISA利用状況調査(金融庁)(2023年8月8日公表)を基にピクテ・ジャパン作成
制度開始から間もなく10年が経過するNISAですが、金融庁の令和5(2023)年度税制改正要望において、NISAの抜本的拡充により「簡素で分かりやすく、使い勝手のよい制度に」という内容の要望が記載されました。これを受けた議論が進み、現行のNISAは制度改正が行われ、 2024年1月からは新しいNISAがスタートすることになりました。主な改正点としては、制度の恒久化、非課税保有期間の無期限化、年間投資枠・非課税保有限度額の拡大などがあげられます。また、日本国民の資産形成のためにも投資をさらに推進することで、岸田政権が掲げる「資産所得倍増」を促すことや金融教育を国家戦略として推進していくという金融庁の狙いが読み取れます。
図表2では現行のNISAと新しいNISAの違いを記載しています。上記に記載した主な改正点以外にも、NISA口座で保有する商品を売却したことによる非課税保有額の減少分は翌年以降の買付が可能になる点(保有額は買付け残高で管理)や成長投資枠の投資先に一定の上限が設けられている点等が変更点としてあげられます。投資可能枠が拡大し、期間も無期限になったことで、「貯蓄から投資へ」の流れはさらに拡大することが予想されます。
図表2:現行NISAと新NISAの制度概要
出所:金融庁HP「NISA特設ウェブサイト」の掲載内容を基にピクテ・ジャパン作成
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