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- 新NISA編⑦ ~各投資枠の活用方法について②~
一括投資とつみたて投資のそれぞれの特徴を理解し、投資家自身のイメージに合った投資手法を選ぶことが重要です。
■一括投資とつみたて投資の投資成果と値動き
今回は、新NISA編⑥でご説明した一括投資とつみたて投資の特徴についてシミュレーションを用いて具体的に確認していきましょう。図表1は世界株式に1,200万円を一括投資した場合と毎月5万円ずつ20年間つみたて投資をした場合のシミュレーションです。
図表1:世界株式に1,200万円一括投資をした場合と毎月5万円ずつ20年間つみたて投資をした場合のシミュレーション
月次、円ベース、期間:2003年11月末~2023年11月末
世界株式:MSCI世界株価指数
※つみたて投資は、毎月初に5万円ずつ積み立て投資を行った場合のシミュレーションです。購入手数料、換金時の費用・税金等は考慮していません。
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ・ジャパン作成
一括投資とつみたて投資では複利効果の差があるため、最終的な投資成果に大きな違いが生まれていますが、一括投資の評価損益はつみたて投資に比べ、投資開始当初から投資先の値動きとの連動性が高く、実際に2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックの前後では評価金額が大きく下落していることに注意が必要です。一方、つみたて投資の場合は、複利効果が小さい代わりに、「時間分散」しながら機械的に投資を行い、平均購入価格を平準化させるため、マーケットが混乱する局面においても、評価損は一括投資に比べ限定的だったことがわかります。ただし、時間の経過とともに投資元本が大きくなると最終的には一括投資と近い値動きになることに注意が必要です。
次に、投資対象を世界株式25%、日本国債25%、世界国債ヘッジ25%、金25%の組合せで構成される分散投資ポートフォリオに一括投資を行った場合とつみたて投資を行った場合のシミュレーションを見てみましょう(図表2)。世界株式のみに集中して投資をする場合に比べ、複数の資産へ分散投資する「資産分散」はポートフォリオ全体の値動きを抑えることが期待できるため、一括投資・つみたて投資ともに値動きが抑えられていることがわかります。また、特につみたて投資においては、「時間分散」の効果が加わり、ほとんどの期間で評価金額がつみたて金額を上回って推移していることがわかります。このように「資産分散」をすることでポートフォリオ全体の値動きを抑え、更に「時間分散」を行えば、より高い分散効果が期待できます。つまり、「資産分散」と「時間分散」は、投資評価金額が変動することで投資家が感じる心理的なストレスを緩和させ、長期投資をサポートする役割が期待できます。よって、毎年の投資可能金額を少額にとどめたい方は「時間分散」を、さらに運用資産全体の評価損益のばらつきも抑えたい方は「時間分散」と「資産分散」の両方の活用を検討し、一方でリスク許容度が高く、より高いリターンを狙いたい方は、世界株式などの単一資産へ一括投資し、長期で保有することを検討してみてはいかがでしょうか。
図表2:世界株式と日本国債、世界国債ヘッジ、金の組合せで1,200万円を一括投資した場合と毎月5万円ずつ計20年間つみたて投資をした場合のシミュレーション
月次、円ベース、期間:2003年11月末~2023年11月末
世界株式:MSCI世界株価指数、日本国債:FTSE日本国債指数、世界国債ヘッジ:FTSE世界国債指数のリターンから米ドル円の1か月フォワードレートで算出する簡便的なヘッジコストを差引いて計算、金:金スポット価格・米ドル※世界株式25%+日本国債25%+世界国債ヘッジ25%+金25%は月次リバランス、つみたて投資は、毎月初に5万円ずつ積み立て投資を行った場合のシミュレーションです。購入手数料、換金時の費用・税金等は考慮していません。
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ・ジャパン作成
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