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- 新NISA編③ ~NISAで運用を始める前に理解したいこと~
NISAは資産保全や資産形成が目的であり、運用を始める際には「投資」と「投機」の違いを理解したうえで、短期的な変動に左右されずに長期で投資を継続することが重要です。
■NISAでの運用で目指すのは「投機」ではなく「投資」
今回はNISAを活用して長期的な投資を行う際に、必ず理解しておくべき「投資」と「投機」の違いについてご説明いたします。この2つの大きな違いは時間(投資期間)です。「投資」は投資先の資産がもつ本源的なリターンを時間をかけて積み上げてお金を増やそうとするものです。ここでの本源的リターンとは、株式であれば将来的な利益成長への期待による株価の値上がり益や配当収入、債券であれば利息収入等を指します。一方、投機は短期の価格変動を利用し、売買を繰り返してお金を増やそうとするもので、長期保有を前提としていません。日本では多くの方が投資に対して「安いときに買って、高いときに売ることを繰り返すもの」、「タイミングが重要だからこそ経験や知識がないと難しい」といった、本来目指すべき長期間の投資よりも短期間で売買を繰り返す投機的な印象を強く持っているように感じます。一方、NISAは「家計の安定的な資産形成の支援」を制度上の目的としており、その目的を達成するためには「長期投資」を中心に置くべきであると考えます。よって、投資家はNISAを活用する前に「投資」と「投機」の違いを認識し、その上で「長期投資」に適した商品を検討する必要があるといえます。それでは、図表1でさらに詳しく「投資」と「投機」の目的の違いやそれぞれに適した投資対象等を確認しましょう。
「投資」の主な目的は資産形成や資産保全です。資産保全とはインフレから資産を守り、育てることを意味します。一方、「投機」の目的は短期売買を繰り返して利益を得ることであり、NISAを活用した投資には適していません。「投資」に適した投資対象としては、投資のプロに運用を任せられる投資信託やファンドラップ等があげられます。一方、「投機」は、レバレッジ注1が活用できる株式の信用取引や商品先物取引、外国為替証拠金取引(FX取引)等を用いる場合が多いです。
注1 少ない投資金額によって大きな取引を行うこと。
図表1 :「投資」と「投機」の違い
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