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- 「ポートフォリオ・リバランス」に伴う株安圧力の影響は?
3月26日時点の世界株式指数の年初来リターン(米ドル建て)が約+5%であるのに対し、世界国債指数の同リターン(米ドル建て)が約-5%であることから、差し引き約+10%のリターン差異が発生している。価格変動によって起こった投資比率の「ゆがみ」を目標水準まで戻す「ポートフォリオ・リバランス」は、どれほど株式市場に影響を及ぼしているのだろうか?
世界株式/国債のリターン差異によって発生しうる「ポートフォリオ・リバランス」の影響
例えば、世界株式比率60%、世界国債比率40%を維持することを目標とした(四半期ごとに比率調整する)バランス型ファンドがあったとする。直近の四半期のように世界株式のリターンが+5%、世界国債のリターンが-5%になれば、世界株式の比率は計算上、期初時点の60%から約62.4%へ上昇する(世界国債は40%から約37.6%へ低下する)ことになる。ここで、期末時点に世界株式の比率を60%へ戻すのであれば、株式を売却し国債を買付ける必要が出てくる。このように期末近辺に行われる比率調整は「ポートフォリオ・リバランス」と呼ばれており、この比率調整に伴う売買が株式市場に影響を及ぼすと一般的には考えられている。では、実際はどの程度のインパクトをもたらしているのか?
今回のように世界株式と世界国債のリターン差異が比較的大きくなった局面(+10%以上)は、2017年12月末以降で計3回あった(2019年1-3月期、2020年4-6月期、2020年10-12月期)。そのうち、実際に期末にかけて株安となった局面は2019年1-3月期と2020年4-6月期の2回だった。今回も期末にかけて弱含んでいることを勘案すると、「ポートフォリオ・リバランス」に伴う株安圧力が全くないとは言い切れないだろう。
実際は「ポートフォリオ・リバランス」を見越して株式が先んじて売却されている可能性も
世界株式と世界国債のリターン差異を事前に計算することは容易なので、実際は「ポートフォリオ・リバランス」を見越して先んじて株式が売却されている可能性もある。その結果、「ポートフォリオ・リバランス」の実需以上に株式需給が悪化している可能性も否定できない。だが、いずれにせよ「ポートフォリオ・リバランス」に伴う過去の株安圧力(と思われるもの)は短期的なものにとどまっているため、過度に警戒する必要もないだろう。2021年4月以降、株式市場が再び企業業績等のファンダメンタルズを反映した相場展開へ回帰するかどうか注目だ。
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