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2024年12月のバイオ医薬品市場
2025/01/20

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概要

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■バイオ医薬品関連企業の株価動向

12月のナスダック・バイオテクノロジー指数(ドルベース、配当含まず)は下落しました。

世界の株式市場は、2025年は米国の利下げペースが鈍化する可能性が示されたことなどを背景に下落しました。このような中、バイオ医薬品株式は、米国のトランプ新政権の政策の不透明さが懸念されたことや医療保険銘柄の下落などによりヘルスケアセクター全体が軟調な動きとなったことに加え、主要なバイオ医薬品企業が期待外れの治験結果を発表したことなどが影響し、月間の下落率が大きくなりました。

株価が上昇した銘柄としては、ギリアド・サイエンシズ(米国)などが挙げられます。ギリアド・サイエンシズは、HIV領域が同社の業績に安定感をもたらしており、バイオ医薬品株式市場が全体的に下落する中でも相対的に安定した推移となりました。

一方、株価が下落した銘柄としては、バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)、インサイト(米国)などが挙げられます。バーテックス・ファーマシューティカルズは、疼痛薬候補の適応拡大の治験結果が期待を下回ったことなどが影響し株価が大きく下落しました。インサイトは、BET阻害剤候補の治験の最新データで有効性が示されたものの、安全性のリスクが懸念されたことなどを受けて株価の下落が相対的に大きくなりました。



■今後のバイオ医薬品市場見通し

2024年のバイオ医薬品株式市場は、米国金利の変動や米国の大統領選挙とその後の閣僚人事などの影響を受けて、変動が大きくなりました。2023年に大型案件が多くみられたM&A(合併・買収)の動きは、大手の医薬品企業や大手のバイオ医薬品企業が大型治療薬の特許問題に直面していることもあり、今後も継続するものとみられ、2025年半ばまでには、再び案件の増加が期待されます。特にフェーズ2で良好な治験結果が示された治療薬候補を有するなど買収後のリスクの低い銘柄が注目されます。新薬の開発では、画期的な新薬の開発が続いており、AI(人工知能)の進化が、さらに開発を加速するとみています。また資金調達については、新薬の開発が順調な企業では引き続きスムーズに進められています。一方、IPOは依然として低調な状況が続いています。引き続き米国の金融政策、マクロ経済の動向、2025年に発足するトランプ新政権の政策動向には注視が必要と考えます。

長期的には、医薬品に関連する医療費についての議論が大きく変化していることがわかります。いくつかの国では治療の有効性に応じて医療費を支払う制度(価値に基づく医療)が利用されていますが、処方薬で最大のマーケットである米国においても、従来の出来高払い方式ではなく、同様の制度を求める声は、ますます大きくなっています。

医薬品企業と同様に政府、規制当局、保険業者は、医薬品の開発においてイノベーションを抑制することなく、医薬品の費用を効率的に管理することができる妥協案を見つけることを必要としています。最も重要な利害関係者である患者は、破産のリ スクにさらされることなく、高品質の治療を受けた いと考えています。これは、治療薬の開発といっ た科学的側面だけでなく、ビジネスモデルや先進 的な思考、価値に基づいた契約といった側面に おいてもイノベーションを生む良い機会となると考 えます。さらにAIの進化はバイオ医薬品業界のイ ノベーションに大きな役割を果たすことが期待さ れます。最も重要な利害関係者である患者は、破産のリスクにさらされることなく、高品質の治療を受けたいと考えています。これは、治療薬の開発といった科学的側面だけでなく、ビジネスモデルや先進的な思考、価値に基づいた契約といった側面においてもイノベーションを生む良い機会となると考えます。さらにAIの進化はバイオ医薬品業界のイノベーションに大きな役割をたすことが期待されます。







■バイオ医薬品関連企業の売上高は新薬承認後の業績寄与などにより相対的に高い伸びに

バイオ医薬品関連企業の売上高は、堅調に成長してきました。(図表6参照)バイオ医薬品関連企業については、引き続き多くの有望な治療薬候補を有しており、新薬承認後の業績寄与が期待されていることから、今後3年間で年率+9.6%の相対的に高い売上高の伸びが予想されています。(図表7参照)




■売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表8参照)



■バリュエーション

バイオ医薬品企業の業績が景気動向に左右されにくい特性などが注目されて2021年夏頃までは株価が上昇し、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)の水準も上昇していましたが、2021年秋以降は新薬承認申請に対するFDAの予想外の決定などがマイナス要因となったことに加え、2022年半ばにかけてナスダック市場の下落が大きくなる中、ナスダック・バイオテクノロジー指数も下落したことからPSRも低下し、その後、低水準で推移しています。(図表9参照)


 




                                                                    

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