●投資を⾏う際、投資先の分散だけでなく、お⾦を⾊分けして分散することも重要であると考えます。
●ピクテでは、資⾦を「預⾦でなければならない資⾦」、「欲張らない投資」、「ちょっと欲張った投資」、「育てる投資」、「スパイス投資」の5つに⾊分けし、⼀部の余裕資⾦のみで投資対象を考えるのではなく、「預⾦を含めた全体設計」を⾏うことが重要であると考えています。

「預⾦を含めた全体設計」

投資を⾏う際、投資先の分散だけでなく、お⾦を⾊分けして分散することも重要です。ピクテでは、「預⾦を含ため全体設計」を⾏うことを提案しており、リスクの観点から投資先や投資⽐率を考えることを⾏っています。具体的には資産全体を、「預⾦でなければならない資⾦」、「欲張らない投資」、「ちょっと欲張った投資」、「育てる投資」、「スパイス投資」の5つに分割します。それを図にしたものが「お⾦のタマゴ」です（図表1）。「お⾦のタマゴ」のポイントは、預⾦を出発点としながらも、リスクレベルの違うファンドの保有⽬的を明確にして⾃らが主体的にアロケーションを⾏う点にあります。また、投資先を考える順番は左から右へ⾏っていきます。

お⾦のタマゴの具体的な内容

それでは、資⾦全体の⾊分けについてご説明します。「預⾦でなければならない資⾦」は、⽂字通り、いつでも現⾦化できる資⾦です。「欲張らない投資」は、物価上昇率を意識し、物価上昇率程度のリターンで⼗分と考える投資です。投資期間は2年から5年程度を想定し、市場変化に対応して、かつリスク値が低くなるように運⽤されているバランスファンド等が対象となります。「ちょっと欲張った投資」は、程よいリスクと程よいリターンを意識した投資となります。投資期間は5年以上10年以内を想定し、円ヘッジを⾏い多くの国に分散投資を⾏っている株式ファンド等が対象となります。「育てる投資」は、投資期間が10年以上で、しっかりしたリターンを期待する中リスク・中リターンの投資であり、将来に向けたエンジンとしての投資となります。多くの国に分散投資を⾏っている株式ファンド等が対象となります。最後に「スパイス投資」ですが、市場の動きを⾒ながらリターンを追及する単⼀市場・投資対象への投資で、売却タイミングを⾃分で考える必要があります。15年以上投資できる資⾦を活⽤することが望ましいと考えています。環境が良い時はリターンも⾼い投資対象となりますが、その分リスクも⾼いと⾔えます。単⼀国の株式ファンドやテーマ型の株式ファンド等が対象となり、必ずしも全ての⼈にとって必要な投資というわけではありません。

このように、⼀部の余裕資⾦のみで投資対象を考えるのではなく、資産全体を俯瞰して資⾦全体を4つまたは5つに分類し、リスクに応じて投資先を決定することで、リスクが過度に集中しないバランスの取れたポートフォリオの構築ができると考えています。