●投資をプロやロボットに任せる場合は、まず「誰にアセットアロケーションを任せるか」と「どの器でポートフォリオを構築し変更していくか」を決める必要があります。
●運⽤チームによって、投資哲学や投資⼿法等は様々で、各チームで異なりますのでどのチームが⾃分の考え方や投資目的に合っているか確認することが重要です。
●投資をプロやロボットに任せる場合においても、コストやアロケーション変更時の課税の有無等を検討する必要があります。

投資を誰に任せるのか？

前回のコラムでは⾃分で投資を⾏う際に気をつけることをご紹介しましたが、⾃分で投資を⾏うには様々なデータやそれを活かす知識が必要で、非常に⼤変です。またデータはあくまで「過去」のものですので、今後の予測や環境の変化に応じたポートフォリオの⾒直しが不可⽋となり、さらにアロケーション時に課税される分を上回るリターンをあげる必要があります。

それでは投資をプロやロボットに任せる際に気をつけることはどのようなことでしょうか。「運⽤成果の約9割をアセットアロケーションが決定する」と言われていますので、投資を任せる場合には、まず「誰にアセットアロケーションを任せるか」と「どの器でポートフォリオを構築し変更していくか」を決める必要があります。誰に任せるかを決めると、提供されている投資手段は⾃ずと決まってきますので、「どの器でポートフォリオを構築し変更していくか」も決めることになります。

そこで、どのような選択肢があるか、主な運⽤チームとその器について、例を挙げて⾒ていきたいと思います。
① 運⽤会社AのバランスファンドAの中で運⽤チームAに任せる
② 証券会社BのファンドラップBの中で運⽤チームBに任せる
③ 保険会社Cの変額年⾦Cの中で運⽤会社Dの運⽤チームDに任せる
④ 信託銀⾏Eの投資一任口座Eで運⽤チームEに任せる
⑤ 証券会社Fのロボアドバイザー口座Fの中でロボアドバイザー会社GのロボアドバイザーGに任せる
⑥ IFAのHのアドバイスに基づき複数の⾦融機関の複数の⾦融商品を組み合わせてポートフォリオを組む
※⑥の最終判断は⾃分で⾏う

任せる運⽤チームやアドバイザーによって、投資哲学、投資手法、投資対象、運⽤実績、ポートフォリオの期待リターン、リスク許容度等は多様で、どのポートフォリオが⾃分の考え方や投資目的に合っているかを確認する必要があります。また器によってコストや商品の仕組み、アロケーション変更時の課税も異なります。

まずコストは、①のバランスファンドでは購⼊時手数料や運⽤期間中の信託報酬、②のファンドラップでは証券会社への管理手数料や投資先ファンドの信託報酬等があります。そして商品の仕組みとして、③の変額保険は「保険」ですので、死亡保障がついています。またファンド内でのアロケーション変更時には課税されませんが、それ以外の場合には課税されます。これら以外にも①〜⑥のような器の違いによって、様々な特性があります。

このように投資を任せる場合には、最初に確認、検討すべきことが多々あり、取り扱い商品も⾦融機関によって異なりますので、慎重に「誰にアセットアロケーションを任せるか」と「どの器でポートフォリオを構築し変更していくか」を決めることが重要です。