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- 投資を始める前に知っておきたいこと⑧ ~リスクとは?~
・投資を始める際、リターンだけではなくリスクにも注意して投資対象を選ぶことが大切です。
・投資の世界では、リスクという言葉は「値動き」という意味でも使われます。
・「値動き」の意味でのリスクの確認や比較を行う際は、10年などの出来るだけ長期間の数値を参照し、 期間を揃えて比較することが重要です。
投資を始める際に陥りやすい失敗
投資を始める際に陥りがちなのが、リターンや分配金の実績だけを基準に投資信託を選んでしまい、リスクに注意を払わず、高リスクの商品への投資に偏ってしまうような事態です。投資に大きなリターンを求めると、その分リスクを負うことになります。また、意識しなかったリスクが顕在化した場合、大きな損失を被る可能性があります。そのため、売れ筋の投資信託やリターンの実績が高い投資信託を選ぶことが必ずしも最適な選択であるとは限りません。
リスクとは
⽇本国債:FTSE⽇本国債指数 ⽇本株式:MSCI⽇本株価指数
出所:ブルームバーグのデータを使⽤し、ピクテ投信投資顧問作成
投資信託の目論⾒書や販売⽤資料には、リスクの種類に関する記載があります。例えば、株価変動リスク、変動リスク、信⽤リスク、為替変動リスク、カントリーリスクなどです。これらは「リスクの種類」ですが、リスクはその「大きさ」も大切な要素です。投資対象を考える上では、リスクの大きさと種類についても十分考慮する必要があります。リスクについて考える場合、リスクの「種類」だけでなく「大きさ」も意識すると、リスクをより正確に理解しやすくなります。
投資の世界では、リスクとは「危険」ではなく「値動き」を意味し、投資信託においては基準価額が変動する可能性を表します。値動きが小さければ「リスクが低い」、反対に大きければ「リスクが高い」と言います。リスクの大きさは普段どのくらい価格が変動するか、日々、1ヵ月単位、1年単位でどのくらい動くか、という視点で捉えることが出来ますが、これに加えて、リーマン・ショックのような最悪のケースで、最大どのくらい下がってしまうかという視点で捉えることもできます。
リスクの確認方法
投資のリスクの大きさを把握するには「標準偏差」の考え方が役に立ちます。標準偏差は「バラつきの大きさ」を表す数字です。リスクの大きさを数値化するものであり、「極端なケースを除き、だいたい※このくらいの範囲の中に収まる」という範囲を教えてくれます。例えば、ある投資信託のリターンが年率7.2%、リスク(標準偏差)が年率15.4%と示されていた場合、1年あたりのリターンの平均値が7.2%で、これにリスク(標準偏差)の15.4%を足した22.6%と、引いた-8.2%の範囲内にだいたいのリターンが収まったということになります(図表1 資産B)。
投資信託を選ぶ際は、この標準偏差を参照することでリスクの大きさを比べることが出来ます。モーニングスター社のような投資情報サイトを利用することが便利でしょう。そこでは各投資信託のリスクが過去1年、3年、5年、10年といった単位で表示されていますが、10年などの出来るだけ長期間の数値を参考とし、比較の際は必ず同じ期間のもので行いましょう。また、標準偏差はあくまで過去のデータであり、常に変動する可能性があるほか、将来の価格変動の大きさについて保証するものではないことにも留意が必要です。
※ ここで言う「だいたい」とは、統計学における正規分布の考え方で「平均値を中心に±1標準偏差の範囲にデータの68.26%(約3分の2)が⼊る」ということから来ています。つまり「だいたい」とは約3分の2ということであり、「極端なケースを除き、だいたい(約3分の2が)このくらいの範囲の中に収まる」と覚えておいてください。ただし、あくまでも割り切った考え方のひとつであり、投資信託の基準価額が実際にこの通りの変動を示す訳ではありません。
図表1:リスクとリターンのイメージ図
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