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投資を始める前に知っておきたいこと(3)〜投資をどのように始めるか2〜
2021/04/28

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概要

●アセットアロケーションを誰が行うか決定したら、次にどの器で行うか決めましょう。
●アセットアロケーションを自分で行う場合は、どの資産にどのくらいずつ投資するのか自分自身で決める必要があります。一方、人に任せる場合は、アセットアロケーションファンドやバランスファンド等を活用することで、投資先や投資比率の決定等をプロに任せることができます。また、ファンド内でアロケーションの変更を行った際に生じた利益は、非課税となります。
●アセットアロケーションファンドやバランスファンドを選ぶ際には、そのファンドの投資方針やアロケーション方針等を確認する必要があります。




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アセットアロケーションを行う器を決める

アセットアロケーションを自分で決めるか、または人に任せるかを決定したら、次に器を決めましょう。アセットアロケーションを自分で行う場合、各資産への投資は様々な金融商品を通じて行うことができますが、ここでは、投資信託だけを組み合わせてポートフォリオを作ることを考えてみたいと思います。まず、投資する資産を選び、配分を決め、更に各資産に投資するファンドの中から投資するファンドを選び、配分を決めます。例えば、株式ファンドと債券ファンドに100万円ずつ投資し、1年後、株式ファンドは20%上昇し120万円、債券ファンドは100万円のまま変わらなかったとします。アロケーションの変更のため、株式ファンドを10万円分売却して、売却代金で債券ファンドを購入するとした場合、株式ファンドの売却益10万円に対し20%課税されるため、実際には8万円分しか債券ファンドの購入に充てられません。一方で人に任せる場合、アセットアロケーションファンドやバランスファンド等を活用することで、配分や配分の変更をプロに任せることもできます。また原則として、ファンド内でアロケーションを変更した場合に利益が生じても、解約や分配によって利益を実現するまで、ファンド保有者は課税されません。先ほどの例で考えると、株式ファンドの売却代金10万円を、そのまま債券ファンドの購入に充てることができます。したがって、ファンド内でアロケーション調整を行ったほうが、自分自身で行うよりも投資効率が良くなります(図表1)。

アセットアロケーションファンドやバランスファンドを利用する場合の注意点

⽇本国債:FTSE⽇本国債指数 ⽇本株式:MSCI⽇本株価指数
出所:ブルームバーグのデータを使⽤し、ピクテ投信投資顧問作成

アセットアロケーションファンドやバランスファンドは、アセットアロケーションを行うツールとして非常に便利ですが、どのような投資方針なのか等を確認する必要があります。具体的には、アセット毎の投資比率や、運用期間中に投資比率を変更するのか、またどの程度のリスクやリターンを目標としているのか等です。例えば、現在、安定的な運用を目指しているバランスファンドの多くは先進国債券の投資比率が高い傾向にありますが、先進国の金利は歴史的に低い水準にあり、多くの利金収入は期待できず、また将来金利が上昇した場合、債券価格の下落も懸念されます。このような状況の中、債券の投資比率が高位で固定されてしまっているバランスファンドは、今後、金利上昇が起こってしまっても、対応できなくなる恐れがあります。このように、アセットアロケーションを人に任せる場合にも、器選びには注意が必要と言えます。

図表1:アロケーションの変更を自分で行った場合とファンド内で行った場合の違い

注:売買に関わる手数料等は考慮していません。また、復興特別所得税も除いています。



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